ハーメルン
|剣士《The Fencer》だが、それだけじゃない
事件?

「ねぇ涼愛、今更なんだけどさ………なんで僕にだけ転生者だって事を教えたの?」
儂とヨミは転校(編入)先の璃緒須中で担任となる符山深琴先生に教室へ案内されている時にヨミは小声で儂に問うてきた。
「何故、か。それはお主だけ気づいておらんかったからじゃよ。天照やすーさん、伊弉冉尊殿、英霊達は皆儂の自己紹介時に直ぐに気づいておったよ。皆、お主が儂の事を知った時の反応を見て苦笑いじゃったであろう?」
それにヨミは納得したのか、あるいは恥ずかしかったのか無言となった。
そう言えば今何を着ているのかと言うと、ヨミはどこにでもあるようなブレザーだが、儂は何故か同じブレザーであった。なので、今まで着ていた和服に近づくように改造した和を感じるブレザーにした。下半身はスカートじゃが丈を少し長くし、そのスカートの内にはいつも穿いていた短パンを穿いておる。
暫く外を見たりしていたら符山の先公がある教室の前に来たら立ち止まってこちらに向き
「それでは紫呉涼愛さんと躄月(イザツク)さんは呼ぶまでここで待っててください。」
そう言い残して2-Aクラスに入って行った。
「いよいよじゃな。ヨミよ、お主も人間の暮らしをしかと楽しむと良い。」
「う、うん。」
ヨミが頷くと同時に、教室ないから轟音が響き渡る。どうやら、テンプレよろしく転校生が来たことが嬉しいのだろう。
「では!入ってきて下さい!!」
符山の先公から呼ばれたので儂から先に入って行く。儂とヨミが入って来たら男子が嬉しがり、女子は若干ガッカリしておる。しかし、中には可愛いなどと言う百合気質な者もいるようじゃ。
「それでは、右から紫呉涼愛千嗣さんと躄月読命さんです。一言挨拶をお願いします。」
「うむ、我が名は先程符山の先公が述べたように紫呉涼愛千嗣と申す。先に述べておくが………儂はれっきとした男子じゃ。そこの所を間違えぬ様よろしくな。」
『………………』
「…………む?どうかしたかえ?」
『そんな馬鹿なぁ!?!?!?』
矢張り、儂がこの形で男子であることが有り得ぬらしい。
「……あ、ははは。僕は躄月読命だよ。あぁ、僕は一人称がこれだけど女だから安心してね。」
等と自己紹介をして空いておった席についた。そのあとはホームルームとなり、符山の先公が今日1日の予定を申しておった。
ホームルームが終えたら儂は近くにいた童に御手洗の場所を聞いて御手洗に向かった。
教室内ではヨミが質問攻めにあっておったが儂は気づかぬ振りをしてそそくさと去った。
今日1日はそうやって質問攻めを避ける事で助かったがのう。
放課後は部活とやらはやらずに即下校じゃ。
「うぅ〜酷い目に合いましたよ~。なんで涼愛はあの集団から逃げ切れるのさ?」
「儂には心眼と直感がある。故に逃れただけじゃ。それは置いておいて、お主は学校とやらを楽しめそうか?」
「うん。戦争が終わってからかなり経つけど…あの時は諦観していたからね。下界にも楽しいこともある。まぁ、都合上この中学って奴だけしか行けないだろうけどね。」
「まぁ、とりあえずは過ごしてみよ。」

璃緒須中学に転校(編入)してから1年が経ち、高校受験の季節となった。
この1年間を軽く説明すると
・転校(編入)した4月
騎士王(アルトリア)がマスターの現状を知ってマスターと仲直り

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/6

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析