ハーメルン
ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件
第4話 ルナツー脱出作戦 Dパート

 ホワイトベースからアムロのガンキャノンが、リュウのコア・ファイターが出撃する。
 ミヤビはというと念のため、ガンキャノンの予備の武器をドラケンE改を使って用意していた。

「まぁ、こんなの使わずに済めばそれに越したことは無いんだけど」

 なおサラが防戦で使った短距離ミサイル、そして推進剤と燃料はサラ自身の操作で補給済み。
 60ミリバルカンポッドも甲壱型腕ビームサーベルに差し替えられている。



 ルナ2に二機のザクIIを従えたシャアの赤いザクIIS型が接近する。
 なお、ガデムはすでにノーマルスーツの潜入部隊と共にムサイへと帰還していた。

「マチュウ、フィックス、いいな? 港に潜入、一気に木馬型戦艦とモビルスーツを叩く」
『了解』
『了解』

 シャアの指示で部下たちのザクが散開する。

「行くぞ!」



「シャアだ」

 ガンキャノンのセンサーが赤いザクをキャッチする。
 シートの背後から狙撃スコープを引き出し、ビームライフルで狙うアムロ。

「っ!」

 精密射撃が可能なガンキャノンのビームライフルを両手で構えて少し狙いをずらしつつ二連射。
 偏差射撃、そのまねごとのようなものだが、それでもアムロは考えながら戦う。
 もちろんその程度のことで被弾するシャアではない。
 あっさりかわしてマシンガンで反撃してくる。
 アムロは左腕を掲げて弱点である頭部センサーカメラを守るが、その隙にシャアは武器をヒートホーク、プラズマ化した刃で対象を溶断する斧に持ち替え、ガンキャノンに斬りかかってくる。

「うあっ!」

 勢いをつけて振るわれたヒートホークが、アムロがとっさに盾にしたビームライフルをあっさりと両断する。
 その威力に恐怖するアムロ。

 格闘技の達人でも、刃物を持った相手に無傷で勝つのは難しい。
 それだけ刃物が武器として優れているということだし、また刃物を前に平常心を保てる人間はなかなか居ないということでもある。
 それがアムロの動きを阻害していた。



(少林寺拳法でもやっていれば少しは違うかも知れないけど)

 と戦場に急行しつつドラケンE改の頭頂部に装備された5連式多目的カメラモジュールでアムロの戦いぶりを見るミヤビは思う。
 ミヤビが前世で学んでいた少林寺拳法なら有段者になると模造刀を持った相手を素手で対処する『短刀捕(たんとうどり)』という演武があって少しは刃物を持った相手への対処法と心構えが学べたものだった。
 あまり強くないイメージがある…… 実際ケンカになると決め手に欠ける少林寺拳法だったが、突き、蹴り、受け身に関節技、投げ技、掴みかかってきた相手への対処法、そして武器を持った相手への対応方法と幅広く学べるという点で、護身には適していた。



「くっ!」

 接近戦では残された両肩のキャノン砲は使いづらい。
 アムロは頭部60ミリバルカン砲で反撃するが、シャアは簡単にかわしてしまう。
 冷や汗を流すアムロに、

『アムロさん、新しい武器です!』

 サラからの通信と共にドラケンE改が接近戦用の武器を届けてくれる。
 牽制の短距離ミサイルを撃ちっぱなしの赤外線画像(IIR)自律誘導で放ち、シャアのザクが回避のため距離を取った隙に渡されるそれは、

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