ハーメルン
ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件
第2話 ドラケン破壊命令 Dパート
ホワイトベースがコロニーのドッキングベイから出港する。
「ゲートセンサー360度、オールラジャー」
固い声で呼称しながら舵を操るミライ。
その肩をブライトがポンと叩く。
「肩に力が入りすぎのようだな。大丈夫、コンピューターがやってくれますよ」
ミヤビの前世の記憶の中のアニメ『機動戦士ガンダム』と違うのは、ミライの持つ爆乳のおかげでブライトが一瞬「ボディタッチはセクハラになるのでは?」と悩んだことだが、彼は鉄の自制心でそれを表面に出すことはなかった。
「ガンキャノンのアムロ君へ」
『は、はい』
「ホワイトベースから遠すぎるようだ。本艦の右10キロに位置してくれたまえ」
『了解』
「そこのドラケンE改は……」
『左5キロに待機します。守りは重層的に構築するべきでしょう』
返ってきた通信にミライが反応した。
「姉さん?」
『無事だったようね、ミライ』
「第一種戦闘配備中です。通信を私用に使うのは控えてください」
「あ……」
『了解』
ブライトの注意にミライはバツが悪そうに口ごもり、ミヤビは端的に答えた。
計画通り。
ミヤビは珍しく口の端を上げて笑うが、
『ミヤビさん、その顔怖いです』
怯えたような声でサラが言うとおり、普段表情を出すことに慣れていないせいかその顔は若い女性にあるまじき超悪人面になっていた。
「そう?」
ミヤビにはまったく自覚が無かったが。
『美人なだけになおさら凍り付くような怖さがあって……』
サラは言葉にしようか迷った後、真顔で告げる。
『多分、子供が見たら泣くし、大人でも退きます』
「そん、なに」
彼女たちの漫才はともかく、そもそも射程から言って中距離砲撃に特化し狙撃タイプのビームライフルも備えたガンキャノンは後衛向き。
それに対してミヤビが乗るドラケンE改の射程は短いし、短時間しか使えないとはいえ接近戦用の武器、ビームサーベルも持っている。
ミヤビの方こそ本当は前に出る方が有効なのだ。
とはいえドムの360ミリ、ジャイアント・バズですら正面装甲で弾いてしまうガンキャノンと違って、こちらはザクマシンガンでも一撃で即死である。
そのためもっともらしいことを言って、後ろに引っ込んだのだ。
一応、ホワイトベースは左舷が弱いというイメージがあるからそこをカバーするという意味もある。
『高熱源体接近、大型ミサイル。回避運動は左12度、下へ8度』
ホワイトベースのオペレーターからの警告。
ホワイトベースは避けようとするが、
「遅い」
回避できそうにない。
『キャッチした』
通信機越しのアムロの声。
『えっ?』
『やってみます』
『頼む』
中距離砲撃用モビルスーツであるガンキャノンはガンダムを上回る6,000メートルのセンサー有効半径を持ち、その射程は長い。
『こいつなら』
ビームライフルでミサイルを狙撃。
『当たれっ』
狙撃用ビームライフルのおかげか二発目も危なげなく撃墜。
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