45「ペティグリュー」、46「シリウス」
(ここから各話へジャンプできます)
▼ 45「ペティグリュー」に飛ぶ ▼ 46「シリウス」に飛ぶ
45「ペティグリュー」
* 帝王さま?
—— ん? ルーナか?
* いえ。わたしです。
—— 的確な説明ありがとう。とっとと正体をあかせ、バカが。いったいだれだ?
* ピーター・ペティグリューです。わが君。帝王さまのもっとも忠実なしもべです。
—— その名前にはどこか聞きおぼえがある。
* ありがとうございます、わが君。ありがとうございます。光栄です。
—— お世辞はいい。いらいらする。ルーナはどこだ?
* 眠っています、わが君。わたしはその子のベッドの下にいます。
—— おまえがどこにいるって? この日記帳をどうやってみつけた? それに、どうやってこれがぼくだと知った?
* ずっとお探ししておりました。何年もまえになりますが、帝王さまが失踪する以前に日記帳がマルフォイの手に渡った、という話を聞いたもので。
—— おまえがこれの仕組みを理解しているのか、いまどのバージョンのぼくに話しかけていると思っているのか、いまいち分からない。
* 理解しております。どのバージョンの帝王さまもわが君です。
—— なるほど。まあ、おまえも完全に無価値ではないかもしれない。どうやってこれを見つけたかの答えをまだ聞いてないが。
* 申し訳ありません。去年になってやっと、ホグワーツのだれかがこの日記帳を所有しているという証拠をつかみました。それから生徒全員のかばんを調べていました。
—— 証拠というのは?
* わたしの潜伏先だった魔法使いの妹が日記帳のことをしゃべったんです。質問にこたえることができる、トムという名前の日記帳だと。バカな魔女でして、兄にその秘密を話しているのをわたしがきいた時点で、すでに日記帳をなくしてしまっていました。それで生徒のだれかがひろったんだろうと思って、捜索をはじめました。
—— 以前にぼくを所有した魔女はジネブラ・ウィーズリーだけだ。ウィーズリー家の子どもが死喰い人をかくまってホグワーツに侵入させたと本気で言っているのか?
* そうと知りながらではございません。わたしは動物もどきのすがたで、正体を知られずにあの家に隠れていました。
—— 動物もどきのすがただと?
* はい。
—— 何のために?
* 帝王さまが失踪なさった夜、わたしは自分を死んだようにみせかけました。逃げるしかありませんでした。このすがたで潜伏しつづけました。帝王さまがお帰りになったとわかれば、すぐに参上できるように。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/5
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク