7「論理」、ほか
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7「論理」
なんでナーグルが実在しないと思うの?
—— 実在するなら目撃者がいるはずだから。
目撃者はいるよ。
—— きみときみのお父さんは数にはいらない。
わたしたちだけじゃないよ。
—— きみときみのお父さんに関わっている狂人は数にはいらない。
失礼だなあ。
—— 失礼じゃない。論理的に言っているだけだ。実在するなら目撃者がいる。目撃者がいれば、目撃者は他のひとにそれを話して証拠をみせて、皆にそのことが知られているはずだ。まともな人にまったく知られていないものは、実在しないに決まっている。
ドラゴンについても同じことが言えるよ。
—— は? バカなことを言うな。ドラゴンは実在する。目撃者がいる。
世界中の六十億人のマグルはそう思っていない。
—— マグルが? マグルがなんで関係あるんだ?
簡単だよ。ドラゴンは実在するかってマグルにきけば、しないと言われる。なぜそうだと分かるかときけば、目撃者がいないし、目撃者がいるなら、目撃者が他の人に話して証拠をみせていて皆がドラゴンのことを知っているはずだからだと言われる。目撃したという人もいないし証拠をみせた人もいないから、ドラゴンは実在しないに決まっている。マグルの言い分はこうだと思うよ。「世界には何十億人も人がいるんだから、ドラゴンみたいに目だつものをいままで見逃しているはずはないだろう」
—— うん、でも……
でもあなたとわたしはドラゴンが実在すると知っているよね。世界中に何種類もドラゴンがいる。マグルが出会う可能性がある場所に住んでいる野生のドラゴンさえも。それでも、マグルのまえでドラゴンについてのあれこれを話したとしたら、信じてもらえないと思う。それがほんとのことでも。
—— うん、魔法使いがドラゴンを魔法で隠しているからだね。はい論破。
そのとおり。ドラゴンの実在と、その他のさまざまな魔法生物と魔法使いの存在を六十億人のマグルから何千年も隠せるなら、魔法使いから隠された動物が何種類か残っていたとしてもおかしくないんじゃない?
—— うん、まあ……
おかしくないと思う?
—— まあ……そうも言える。
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