ハーメルン
戦姫絶唱シンフォギア×MASKED RIDER 『χ』 ~忘却のクロスオーバー~
第四章/蘇る聖拳×束ねられた絆①
『──どォーしたァアッ?!さっきまでの威勢の良さは何処行ったんだよ、ええッ?!』
『グッ……!!がはァああああああッ!!?』
場所は戻り、旧モール街ではイグニスイレイザーの猛攻の前にクロスが苦戦を強いられ、一方的に痛め付けられていた。
凄まじいパワーで振るわれる巨腕の一撃一撃の余波だけで建物の壁が次々と粉砕されていき、肩を掠めただけでも装甲の一部が大きく削り取られてしまう。
真っ向から立ち向かうにはあまりにも力の差があり過ぎるイグニスイレイザーを前にひたすら防戦に徹するしかなく、隙を見て戦線を離脱しようとしてもタイプスラッシュを上回る機動力で回り込まれ、逆にその隙を突かれて殴り飛ばされてしまう。
逃走すら叶わず、防戦一方でこれ以上の致命傷を避けるように立ち回る事しか出来ないクロスも仮面の下で苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながらも何とかこの状況を打開しようと考え、とにかく距離を取ろうと朱い閃光と化して廃墟の街中を素早く駆け回り続けるが、それを予想していたかのようにクロスが逃げた先の頭上で待ち構えていたイグニスイレイザーが拳を握り締めた右腕をハンマーの如く振り下ろし、クロスの後頭部を思い切り殴り付けて地上に叩き落としてしまった。
『がぁあうっ!!ぐぁっ、ぁ……頭がっ……!』
『ボーッとしてる場合かよォおおおおおおッ!!』
『ッ?!』
凄まじい力で後頭部を殴り付けられ、意識が揺らぎ眩暈を覚えるクロスの頭上からイグニスイレイザーが怒号と共に紅蓮の炎を纏った右足を突き出して急降下で迫る。
それに気付いたクロスも眩む意識を頭を振って振り払いながら慌ててその場から飛び退きイグニスイレイザーの蹴りを辛うじて回避するも、滑り込むように地面に着地したイグニスイレイザーが左手に形成した紅い光球をクロスの腹部に押し当てた瞬間、光球が爆発を起こしてクロスを吹っ飛ばし、後方のビルの壁に勢いよく叩き付けてしまったのだった。
『ぐあぅううっ!!グッ……クッ、ソッ……!!』
『ハッ、無様なもんだなぁオイ。昔はあんだけ俺達の事を苦しめてくれたってのに、今やソレも見る影もなしか……』
叩き付けられた壁から剥がれるように倒れ、地面に両手を付くクロスの情けない姿を見て拍子抜けしたように溜め息を漏らすイグニスイレイザー。
そして左手を振るって残り火を払いつつ、イグニスイレイザーはクロスを見据えながら巨腕の拳を握り締めていく。
『けど、だからってこっちも容赦はしねぇぞ。テメェの力の恐ろしさは俺たち自身嫌ってほど身をもって知ってるからな……テメェとの因縁も、此処で俺が幕を引いてやるよォッ!!』
『ッ……!』
ゴゥウウッ!!と、イグニスイレイザーの全身から凄まじい殺気と共に勢いよく業火が噴き出し、未だ高まり続けるエネルギーのあまり轟音を轟かせて地面が陥没していく。
そのとてつもない熱気は離れていても装甲から白い蒸気が立ち上る程であり、加えて恐らく、あれだけの強大な力を放出していながら未だ全力でない事は確かだろう。
『(今の俺の力じゃ、逆立ちしても奴には勝てないという事かっ……それに急がないと、アイツがっ……)』
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