銃の歴史その1 〜銃の誕生から火縄銃まで〜
指揮官
「指揮官と」
G3
「G3がお送りする」
「「ドルフロ銃解説~」」
指揮官
「今回から銃の歴史を解説していく。年号や人物名が多く出てきて混乱するかもしれないが、覚えなくて結構だ。だいたいこの時期にこんな事があった程度で大丈夫だぞ。テストもしないからな」
G3
「要点はいつも通り最後に書いておきますから、それをなんとなく覚えればそれで充分ですよ」
指揮官
「さて、早速始めよう。銃には火薬が必要だ。人類が初めて手にした火薬は黒色火薬と呼ばれるものだ。硝石(硝酸カリウム)、硫黄、木炭を混ぜて作られるが、いつどこで誰が発明したか定かではない。記録によれば、今から1000年以上前の中国、唐の時代に黒色火薬のことが記述されている。唐の時代から少し経った宋の時代に、硝石と硫黄を混ぜたものを容器に入れ投石機で投げ込んでいたんだ。これらは"てつはう"と呼ばれていた。この名前は聞いたことあるだろう? そう、モンゴルが日本に襲来した時に使われた手榴弾のようなものだ。火薬は最初、焼夷弾として使われていたんだな」
G3
「焼夷弾とは発火性の薬剤を詰めた弾のことです。ベクターやスコーピオンが投げているものですね」
指揮官
「火薬が登場した頃は爆発力が低かったが、やがて銃として使える程度まで改良された。1355年、世界で初めて金属の筒から弾丸を発射する武器が中国で発明されたんだ。この武器の名前は"火竜鎗"と呼ばれた」
G3
「火竜鎗は下の図をご覧ください」
【挿絵表示】
指揮官
「同時期にヨーロッパではマドファと呼ばれる同じような武器が使用されていた。記録によると1346年に英仏百年戦争のクレシーの戦いにヨーロッパで初めて火薬を使った武器が使用されたらしい」
G3
「英仏百年戦争とはフランス王位を巡って、約100年にわたり断続的に行われた戦争です。また、この武器がマドファなのかどうかはわかっていません」
指揮官
「この火竜鎗だがある欠点があった。それは発射時に照準がズレてしまうことだった。導火線に直接火を付けなければならないから、敵に狙いをつけていた目線が導火線の方に移って外しやすくなるんだ。最も、この頃の銃は狙っても当たるものじゃなかったけどな」
G3
「そこで引き金の原型となるSerpentine(サーペンタイン)と呼ばれるものが登場しました。「蛇のような」という意味で、この部品の先端に火の付いた縄をつけ、反対側を引くとシーソーのように動き火が発射薬に付く、という原理なんです」
指揮官
「だがこれでも引き金を引く動作が大きく、照準はズレてしまった。そこでバネを組み合わせ、引き金を引いてもズレないものが完成した。さらに真っ直ぐな木の棒からカーブしたものとなり構えやすくなった。発射薬へ火を付ける導火線も火縄となり、"火縄銃"が登場した。これらの改良は1450年から1500年に行われたとされている」
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