10・G41と仲間達(その2)
ある日の事です。G41が娯楽室にやってくると、M590さんが黄昏ていました。
なんだか、暗い表情でため息を吐いています。悩みがあるのかもしれません。
M590さんはご主人様の部屋を掃除し隊の隊長さんです。隊員として、M590さんの悩みを解決しようと思います!
「M590さん!」
「あ、G41ちゃん」
G41が近づくと、M590さんもこっちを見ました。笑顔ですが、なんだかちょっと悲しそうです。M590さんが悲しいとG41も悲しいです。何とか力になってあげたいです!
「M590さん? 何かあったの?」
G41の言葉に、M590さんは少しだけ迷うように視線を彷徨わせましたが、しばらくするとため息を一つ吐いて悩みを打ち明けてくれました。
「実は指揮官のことなのですが…」
悩みはどうもご主人様のことらしいです。それならG41には自信があります! 何せ、G41は46時中ご主人様のことばかり考えてます。ご主人様に関する理解度はFALさんの次ぐらいだと自負しています!
「私、指揮官から敬遠されているのではないかと思って…」
M590さんの言葉にG41は首を傾げました。そんなことはないと思います。ご主人様はM590さんのことを頼りにしていますし、お掃除に関しても感謝しています。その後に続いたあんよが云々は聞き流しましたが、それでもM590さんを避けているとは思えません。
「うーん、考えすぎだと思うよ?」
「でも… M500にはかなりフランクに話をするのに、私の前では固いのですよね…」
G41の言葉に、M590さんはまたため息を吐いて言います。M500さんはこの前入ってきたばかりのSG型戦術人形で、M590さんの妹分みたいなものです。
言われてみれば、確かに入ってきたばかりなのにご主人様と頻繁に話しているところを見かけます。なんでしょう。ほんのちょっぴり腹が立ちました。何としても、M500さんからM590さんにご主人様の視線を取り戻さなければいけません! ご主人様を取り戻せ作戦開始です!
G41は冷静に分析してみます。ご主人様やFALさんからは問題が起きたときは、まず対象や事象を比較することから始める、と言います。
まず、M590さんとM500さんを比較すると、M590さんの方が古参です。戦場での活躍も大きいです。でも、M500さんの方が話しかけられる理由はなんでしょう?
ぴこん! G41は分かりました! 謎は全て解けました!
「分かりました、M590さん!」
「…ええと、もしかして指揮官のM500に対する態度のことですか?」
「はい! それはミミがあるかないかです!」
M590さんの問いに、G41は力強く答えます。もうこれしかありません。G41の名推理です! えっへん!
まず、ご主人様はG41が大好きです。隊の最古参で、自身の右腕と言うFALさんと比べても同じぐらい好きだと思います。そして、G41にはミミがあります。だから、ご主人様はミミのある戦術人形が好きなのです!
というわけで、推理が成立しました! 後は、それを検証しないといけません。
というわけで、G41はご主人様のところに行くことにしました。
「M590さん、ちょっと待っててね?」
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