3 ・G41はいけないことを思いついてしまいました(その1)
最近は鉄血の連中が大人しいので、ご主人様の仕事がすぐに終わることが多いです。
なので、今日も仕事が終わってるといいな、と思いながらご主人様の所に行きます。
もちろん、仕事が終わっていたらご主人様と遊びたいです。ご主人様のお伽話を聞くのがG41は大好きです。本当はご主人様がご主人様になる前の話も聞きたいのですが全然話してくれません。
ご主人様はグリフィンに来る前は軍のえりーとだったらしいです。えりーとはかっこいいらしいので、是非その話を聞きたいです。でも、それを聞こうとすると凄く暗い顔になります。
FALさんは知っているらしいですが、FALさんも全然話してくれません。
きっと、余程嫌なことがあったんだ、と思います。えりーとはかっこいいらしいですが、大変でもあるらしいからです。なので、いつか話してくれたらいいな、と待ってます。
ふと、廊下の向こうから歩いてくる人がいます。ご主人様です! G41は嬉しくなって飛んでいきました。
「ご主人様~!」
「お、G41!」
ご主人様は突撃したG41を優しく受け止めてくれて、なでなでしてくれました。G41は幸せです。今日もご主人様が一緒にいると思うともっと幸せな気持ちになります。
「おい、ボス。鍵借りてくるぞ?」
後ろにいたトンプソンさんが言います。G41はご主人様になでなでしてもらっている頭を少し傾げました。倉庫の鍵か何かでしょうか?
「うん、お願いね。ついでに一服して来ていいわよ?」
同じく後ろにいたFALさんがトンプソンさんに言います。3人は一緒に何かするのでしょうか?
「ご主人様、どうしたの?」
「ああ。これから少し外に出かけてくるんだ」
ご主人様の言葉を聞いてG41は少し悲しくなりました。折角、ご主人様といられると思ったからです。でも、G41はすぐに気分を切り替えました。G41は戦術人形です。だから、ご主人様のお役に立てます。
「ご主人様! G41を護衛として連れてって!」
G41は笑顔で言います。G41は元々護衛用として開発された戦術人形で、故に他の戦術人形にないミミ型簡易動態センサーと、精密射撃用の狙眼が搭載されています。この基地でもM4さんやFALさんと並ぶエースです。きっと連れて行ってもらえる、と思いました。
「いや、護衛とドライバーはトンプソンとFALに頼んでいるんだ」
あう。いきなり断られてしまいました。G41はしょんぼりです。
「悪いな、G41。少しビジネスの話もあるんでな」
「G41は一〇〇式と一緒にお留守番をお願いね?」
トンプソンさんとFALさんがそう言います。二人とも頼りになる先輩で、特にFALさんは戦闘以外の仕事でもご主人様に頼られる凄い戦術人形です。なので、戦力としては心配ないと思います。
でも、G41はご主人様と一緒にいたいです。連れてってくれないなら出かけて欲しくないです。でも、どうしたら出かけるのを止めてくれるでしょう?
いけないことを思いついてしまいました!
G41は走って整備班の方に行きます。それで恐らくご主人様達が使うであろうトラックの鍵を先に借りてしまいます。なぜトラックなのかというと、鍵が必要な車両はトラックしかないからです。
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