0001話
少なくても俺の頭じゃ多分無理だと思われる。
いや、今からでも勉強一筋で頑張ればもしかしたら可能かもしれないが、そうなると録に体を鍛える暇も無くこの死亡フラグ満載の世界を生きる事になってしまう。
原作を見ても分かるように、シャドウミラーではレモンとヴィンデルが頭脳、アクセルが手足といった関係だった。
その辺を考えるに、俺に……というよりも、アクセルに研究者としての頭脳を求めるのはちょっと無理があるだろう。
知識と身体能力の両方があるギリアム? あいつは平行世界を移動し続けてるチートだし問題外。レモンは戦闘も可能とは言え、基本的には技術者だし。
……そう考えると、シャドウミラーの頭脳で、指揮官で、政治的能力もあって、戦闘能力もあるヴィンデルってギリアムに負けないくらいのチートなんだな。
「っと、それよりもこれからどうするかだったな」
頭を振って、これからの事へと思考を戻す。
「まずは俺に有利な点を考えてみるか」
これは簡単だ。
転生チート能力と、大まかにだがこれからの歴史を知っている点だな。
……ん? ちょっと待った。これからの歴史。つまりは誰がどの分野で活躍するのか大まかに理解出来ている。つまり、有能なパイロットや指揮官を知っている。
でもって、原作でシャドウミラーがこっちの世界でキョウスケに負けてあっちの世界に転移したという事は、つまりはこっちとあっちの世界は時間軸はそう違わない筈。
まぁ、技術的な面でエルアインスの事を考えれば多少の違いはあるんだろうけど。
「そうなると、まだ無名なうちに有能な奴らを引き込んで……引き込んで、どうする?」
上手くいけばシャドウミラーを倒すのは可能だろう。
ただし、その場合は腐敗した政府に支配されたこの世界に留まる結果になる。
アインストに寄生されたキョウスケというおまけ付きで、だ。
「はぁ……そうなるとシャドウミラーと一緒にあっちの世界に行くのが一番安全、か?」
でもって、あっちの世界でシャドウミラーから抜けるなりなんなりすれば、ヒリュウ改&ハガネがシャドウミラーを片付けてくれて万々歳、かな?
でも、そうすると有能な奴を引き抜く云々というのはやめた方がいいのか?
……いや、どう歴史が動くか分からない以上は使える手駒はあって困る事はない。
「よし、方針は決定だな。シャドウミラーとあっちの世界に行ってから裏切って安全を確保の方針で」
口に出して、ふと気が付く。
「……どうやってシャドウミラーに所属すればいいんだ? 取りあえずは連邦軍に入隊して、PTのパイロットになればいいのか?」
これで間違っていない筈だ。
恐らく、多分、きっと、めいびー
「まぁ、まずは」
周囲を見回すと、既に暗くなってきている。
将来に関して考えている間に既に夕方になってしまったのだろう。
これからの道程に苦笑を浮かべつつ、部屋の電気のスイッチをONにする。
「にしても、誕生日なのに両親そろって留守とはね。しかもまだ3歳だってのに」
アクセル君の記憶を思い出す限り、両親は完全な仕事人間らしく家に帰ってくるのは着替えを取りに戻って来る時くらいだけらしい。
それでも普通は3歳だとベビーシッターなりなんなりが必要そうなものだが、アクセル君は幸か不幸かいわゆる手の掛からない良い子だったらしくそのまま鍵っ子になってしまった訳だ。
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