ハーメルン
転生とらぶる
0007話

「おーい、廊下に試験結果が貼り出されたぞ」

 声を上げながら教室に入って来たクラスメイトに皆の視線が集中する。
 入学当初は生徒全員の試験結果の順位が点数付きで張り出されるというのに驚いた物の、入学して10ヶ月も経てばさすがに慣れる。

「アクセル、見に行かないのか?」

 声を掛けてきたユーリアだが、正直あの人混みの中に入っていくのはちょっと遠慮したい。

「別にすぐに行かなきゃいけない訳でもあるまいに。もう少し人が少なくなってから行かせて貰うよ」

 教室を出て行くユーリアに軽く手を振り返事をする。
 と、それが気にくわなかったのか、横合いからいつもの声が掛けられる。

「ふん、さすがは主席様だな。だが、トップだと威張っていられるのは今日までだ。今回は俺が勝たせて貰うぞ」

 そう、言わずと知れたジーベルである。
 初日の印象が悪かったのか、何かある度に俺に絡んでくるようになったのだ。
 ちなみに今回は勝たせてもらう云々言ってるが、今までの試験でこいつは良くてA組の最下位。悪ければB組の真ん中辺りの連中にも抜かれている。
 ……本当に、どうやってこいつがA組に入る事が出来たのかもの凄く疑問に感じてしまう。
 まぁ、原作を見る限り何かくだらない事を企んだのだろうが。

「はいはい、楽しみにしてるよ」

 どうでもよさげに手を振る。
 と言うか、このままジーベルに絡まれ続けるよりは大人しく順位を見に行った方がいいか。
 既に癖になっている溜息を吐き、順位が張り出されている掲示板へと向かう。

「ん? やっぱり来たのか」
「ジーベルが五月蠅くてな」

 人混みの中から素早く俺を見つけ出し声を掛けてきたユーリアだったが、俺の台詞に苦笑を浮かべつつ納得する。

「あいつも、何であんな風になったのか。以前はもう少しまともだったと思うんだが」

 ユーリアとジーベル。この2人は同じ地区にいたらしく幼馴染み……とまで親しくはないものの、知人程度の知り合いだったそうだ。
 と言うか、俺の記憶が確かならユーリアとジーベルは10歳近く離れてたと思うんだが、それはあっちの世界だからなのか?
 そんな事を考えつつ、張り出された順位表へと目を向ける。

1位 アクセル・アルマー 総合:285点 学科:94点 運動:95点 シミュレータ:96点

2位 ユーリア・ハインケル 総合:280点 学科:98点 運動:89点 シミュレータ:93点

「また1位を持って行かれたな。今回は結構自信があったんだが」
「何とかって所だな。にしても、総合はともかく学科は負けたか」

 毎回の如く、俺が1位でユーリアが2位。
 ただしその点差は5点とかなり僅差だ。
 最初は20点程の点差があったんだが、徐々にその差を詰められて来ている。
 ちなみに学科に限って言えば、ユーリアに勝った事は殆ど無い。
 ジーベル? あいつは30番前後を行き来している。

「後5点か。なら、次こそは主席の座を譲って貰うとしようか」

 いつもの如く、男前な笑みを浮かべるユーリア。

「主席にこだわってる訳じゃないが、そう簡単に譲る訳にはいかないな」

 二人で話ながら教室へと戻ると、そこには既にジーベルの姿は無かった。

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