2648話
新たに姿を現した機体は、一目でペイルライダーの系列機であるというのは分かったが……それでも、実際に俺が戦っていたペイルライダーとは細かい場所で色々と違いがあった。
俺が戦っていたペイルライダーを簡略化している……といった感じか。
ただし、ガンダムに対するジムのように、極端にデチューンされている訳ではない。
ガンダムとジムを見て同じような機体であるとは認識出来ない者も多いが、新たに現れたペイルライダーは、幾らか簡略化されているものの、普通にペイルライダーの同型機であると判断出来た。
そんな中で、最もペイルライダーとの違和感がある場所は……その武器だろう。
俺が戦っていたペイルライダーは、ビームライフルとビームサーベルを持ちつつ、右肩の後ろにジャイアントガトリングを装備しているMSだった。
それに比べると、新たに姿を現したペイルライダーが手持ちの武器として装備していたのは、結構な長物の武器だった。
それが一体何なのか……シャドウミラーに所属しているからこそ、理解出来た。
シャドウミラーが得意としている、複合兵装。
ただし、それぞれの武器を無理矢理1つにしたような感じで、技術的にはまだ未熟というか、発展途上に近いと言ってもいい。
見た感じでは、ペイルライダーも装備しているジャイアントガトリングと、巨大なビームライフル、それとミサイルを無理矢理くっつけたような感じだ。
……ただし、ジャイアントガトリングがガンダム5号機の武装だという事を考えると、複合兵装のビームライフルはメガビームランチャーを流用した物と考えてもいい。
とはいえ、俺が知ってるメガビームランチャーは、かなりの大きさを持つ。
それに比べると、新たなペイルライダーが持っている武器は、かなり小型化されていると言ってもいい。
とはいえ、ビームライフル系に関しては、連邦軍の方がジオン軍よりも高い技術を持っている。
それを思えば、メガビームキャノンを小型化してもおかしくはない。
小型化した分、ガンダム4号機のメガビームキャノンよりも威力は低くなっているかもしれないが。
そのペイルライダーが、複合武装をこちらに向け……ミサイルを発射する。
って、こいつもこっちに攻撃をしてくるのか!
スラスターを使って体勢を立て直しつつ、頭部バルカンを使ってこちらに向かって発射されたミサイルを迎撃する。
宇宙空間に幾つも広がる爆発の花。
「何のつもりだ? ペイルライダーなら、連邦軍の通信の周波数で聞こえるな?」
こっちに攻撃してきた最初のペイルライダーといい、次に現れたこのペイルライダーといい、もしかしてペイルライダーは連邦軍のMSではないのか?
いや、ジムスナイパーⅡをベースにしている以上、連邦軍で開発されたMSなのは間違いない。
だが……そのMSを使っているのが、連邦軍とは限らない。
それこそ、場合によっては第3勢力の可能性もある。
不幸中の幸いなのは、ジオン軍とも敵対しているので、ジオン軍に奪われた訳ではない事か。
『……お前は、ルナ・ジオンの者だな?』
識別信号から俺の反応を理解したのか、新たに現れたペイルライダーからそんな通信が入る。
こちらを警戒しているのか、音声だけで映像モニタには何も映っていない。
声だけで判断すれば、結構な年齢……30代か40代か、そのくらいの年齢の男のように思える。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク