6話
クラス代表決定戦から数日が経ったある日の朝。一夏は何時もと変わらず本音と共に教室へと到着し席へと着く。
するとその傍に清香と静寐がやって来た。
「ねえねえ、2組に転入生が入ってくる情報知ってる?」
「ううん、知らなぁい。イッチーは?」
「ぼ、僕も知らない、です。と、というよりもぼ、僕はあまり関わりたくないです」
一夏はオドオドしながらそう答え教科書を机に仕舞う。
「そうだよねぇ。まぁ、よそのクラスだからイッチーには関係ないもんねぇ」
「けどクラス代表戦の時はその2組の代表と戦わないといけないけど…」
「でも確か2組の代表って専用機を持ってないって聞いたよ」
「そうなの? それじゃあ専用機持ちは実質1組と4組だけ?」
「恐らくね」
清香と静寐がクラス代表戦の事を話し合っている中、一夏は本音にある事を聞いていた。
「あの、本音さん。そのクラス代表戦には勝つと何か、貰えたりするんですか?」
「うん。優勝すると食堂のデザート食べ放題のパス券が貰えるんだぁ」
「そう、なんですか。だ、だからあそこが燃えてるんですか?」
そう言い一夏は教室の奥に居る生徒達の方に目を向ける。其処には
「皆、織斑君を応援するために横断幕やらなにやら準備するわよ!」
「もちろん!」
「分かってると思うけど、織斑君の症状を考えて出来るだけ目立たない程度で応援するわよ!」
「「「イエス・マム!」」」
と燃えている生徒達が沢山いた。
「燃えてるねぇ」
「う、うん。……も、もし負けたら、お、怒られるのかな?」
燃えている生徒達の姿を見て一夏は負けた時の事を想像してしまったのか、顔が若干青褪めて震えていた。その姿を見た本音は慌てて元気づけようと近寄る。
「そ、そんなことないよぉ。負けても誰もイッチーの事責めたりしないよぉ」
「…そ、そう、なんでしょうか?」
まだ青ざめた表情を浮かべ若干涙目な一夏。その姿に応援しようと燃えていた生徒達が気付き慌ててフォローする。
「う、うん! お、織斑君が負けても責めたりしないって!」
「そ、そうだよ! それにデザートフリーパスは確かに欲しいけど、タダでデザートが食べ放題だと食べ過ぎて太っちゃうかもしれないしね」
「そうそう! フリーパスは二の次で本命はかっこいい織斑君の戦っている姿だから!」
皆一夏の為に色々フォローを入れたりする。そのおかげか一夏の顔は若干平常に戻って来た。
「…わ、分かりました。で、出来るだけが、頑張ります」
一夏そう答えると皆一様に安堵した表情を浮かべた。
すると突然一夏の背後にあった扉が勢いよく開き、一人の少女が飛び込んできた。
「一夏ぁ! 会いたか「させるか」グヘッ!?」
突然飛び込んできて一夏に突撃しようとした少女。だが千冬が突如現れそれを阻止するように首根っこを掴む。
「もうすぐSHRが始まるからさっさと帰れ、凰」
「で、でも千冬さ「織斑先生だ。さっさと帰らなければ首根っこを引き摺ってでも連れて行くぞ」す、直ぐ帰ります!」
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/3
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク