提督はこんなやつです
転生者として俺は、艦これの世界に転生していた。
まず一つ言わせてもらいたい。いや本当、色々と言いたいことはあるのだがね。
「難易度設定ミスってますからあ!!!」
ガチである。ガチガチである。いや、むしろガチの十乗位はあるかもしれない。
…戦争。戦争であった。二次創作で見たことはあったさ。イチャイチャハーレムと同じ位、そんなシリアスな艦これもあった。
だけど物語るなら、なんかこう……あるでしょ!! ほんとにさ!!
と、まあ。苦労を垂れ流してもしょうがない。てんやわんやで数年間頑張って。そう。そうして、ようやく平穏っぽい――夕立に懐かれてえなあ!! 俺もなあ!!
てーとくさん。疲れたっぽい? なでなでするっぽい! とか言われてえなあ!!
でさ、でさ。あの艶のある金髪を撫でたらさ! えへへ、褒めて褒めて~。とかさ! あの声で言われてえよなあ。
「そんな余裕とかなかったんですけどね!!」
はっはっは! 此処までの提督業は本当に地獄だったぜ!!
うわああっ、ほんと! まじほんと! こっからだから。こっからいちゃつくから。
季節は春。二月からの着任で、ようやく人心地ついた今日この頃。
提督がいちゃつける鎮守府に着任しました。これより、欲望のままにがんばります!
気合い! 入れて! イキます!!
俺の朝は早い。午前三時に起床して、食事などを済ませて身支度を調える。
寝室と執務室が隣であり。トイレやバスルームなど。上下水道の設備も整っている。やろうと思ったなら、この部屋から一切出ないでいられる。ぶっちゃけ、ここ一月はこの部屋を出ていない。
うむ。仕事が滞るね! やったね! 日常が仕事だね!! くたばれ!!
い、いいもの。ようやっと後方勤務に就けたのだもの。
「…補給が満足になかった最前線。は、ははは」
良いんだ。楽しもう。楽しむぞ。二ヶ月かけて、ようやく此処の生活も安定した。楽しむぞ!!
さてさて。今日も仕事に取りかかるのだが、そんなモノはどうでも良い。どうでも良い。あえてもう一度言おう。
どうでも良い!! 今日から! 俺は!! エロエロでやっていくんだ!! ぐへへ。
あ、でも。無理矢理とかはNOである。てか、提督権限で好き放題とかロマンがないし。うん。へたれじゃないし。紳士なだけだし。
うん。そこは譲れない。ここは譲れません。提督の名にかけて。いや、俺がかけたいのもっと白濁とした。
はい。真面目にやろう。
午前六時位になると、秘書艦が執務室へと来てくれる。
こんこんと小さくノックが二つ。愛らしい少女の音色。
「入ってくれ」
言葉を返したなら。
「司令官、失礼するよ」
駆逐艦・響が入室してきた。
滑らかな銀髪。湖面の如く澄んだ両目。
幼く小柄な体とは裏腹に、落ち着きと知性を感じる静かな表情。
整った面立ちは、将来美人になるだろうと直感させる。
今も十分愛らしいが、妖精みたいに儚くて。どこか現実味に欠ける。
幻想的な雪の美少女。響を語るならば、この言葉こそ相応しい。
黒と白を基調としたセーラー服は、水兵にも、学生にも見える。そうして見ると、大人と子供の中間の魅力も感じるわけで。つまりはそういうわけで。響は天使なわけで。
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