ハーメルン
エルフの忌み子は鍛冶師
少年4

 








〇月¥日

 Lvが上がって、発展アビリティの鍛冶がついてから凄く早い速度で進歩している気がする。
 やはりステイタスに載るモノは、人生を左右する程に強烈と言わざるをえない。『不壊』とまでは遠いが【騎士は徒手にて死せず】の発動を10回まで耐えられるようになってきた。
 関係があるかは分からないが、耐久が上がっているのは確かなので良しとしよう。







 〇月々日

 椿の顧客と顔合わせさせられた。
 ドワーフのオッサンで、やたらと酒を勧められる。一口飲んだけど酔わなかった。次は酔いつぶれるまで共に飲もうと言われ、断ろうとすると椿ものってきた。
 どうやら退路はないらしい。

 そしてドワーフ、確か名前はガレスが連れてきた狼人族の青年がひょっこりと出てきた。

 何やら興味深そうに、僕の脚の防具兼武器に見ていたので。
 「興味あるのか?」

 と聞いたところ「暇だから聞かせろ」と何故か怒っていた。

 とりあえず脚の武器に関する研究資料を読み聞かせた。余りに莫大な知識を一気に読み聞かされたから狼人は引いているかと思ったが、存外真面目に聞いてくれていた。

 そしたら最後に「お前、俺と専属契約しろ」って言われた。
 「なんだそれ?」と狼人に言うとポカンとした顔で、横から椿が入り込んで説明してくれた。
 何でも、調節や整備に新作など無料で提供する代わりに。狼人は労力で返すとのこと。専属になれば鍛冶師の名前にも箔が付くし、採ってきて欲しい素材も優先的にくれるそうだ。

 とりあえず、剣ではなかったので承諾した。

 「宜しく狼くん」と言ったら凄い睨まれた。「俺の名前も知らねぇのか!?」みたいな感じでキレられたから、反射で「知らねーよ」と言ってしまった。
 ガレスは爆笑、椿は堪えて笑ってた。そしてベートは怒りの頂天を迎え。

 「ベート・ローガだ!!覚えとけ、このクソエルフ!!」
 と超至近距離で怒鳴られた。凄く唾が飛んできた。
 名乗られたので、礼儀やなんよと常日頃から椿に口酸っぱく言われているので名乗り返した。

 「そうか、僕はロット」

 本当に出血くらいするのではないかと思わせる程、怒ってベートは出ていこうとした。
 ガレスも邪魔したな。と笑いながらベートに続く。

 「ベート・ローガ」
 「あァ!!」

 出ていこうとしたベートを呼び止め、ある物を渡す。

 「記念すべき契約1号だ、持っていけ。使った感想を聞いてから要望に応えよう」

 とだけ言って武器を渡した。
 終始ガレスは傍から笑っていたが、そんなに面白いことなのだろうか。

 今日はとても疲れた。








 〇月〆日


 2週間後、ベート・ローガが武器にヒビを入れて帰ってきた。そして開口一番に「あんのォ隠しナイフはなんだァ!!!」とキレられた。
 なんなんだコイツは、常に怒っているな。

 「必要ないか?」
 と聞いたところ。「いらない」と答えられた。
 何でも、Lv3の冒険者にとっては下手な武器よりも身体能力が上回るため硬いプロテクターがあれば事足りるらしい。

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