脱出
ちーちゃんが仕事休みを終える一週間の間ずっと行為をされてしまっていた。
俺の体力と気力はもう0で精神的にも終わっていた。
千聖「今日からお仕事かぁ。面倒だけどあなたを養っていくには仕方のないことよね。もうここから出て行く元気も無いだろうし手錠は外しておくわね。お手洗いとかは行けるでしょう?」
俺「うん」
千聖「ふふ、じゃあいい子にしててね」
と言い残すとちーちゃんは出て行ってしまった。
ひさびさに自力で立ってみるとフラフラしてまともに歩けたものではない。
しかも俺は裸で外にも出られるわけ無かった。
近くにあった机に手をつくと机の上にあった黒い物体がザラザラと落ちていった。
拾おうとしてその物体を確認すると盗聴器だった。
そういえばここに来たときにちーちゃんが俺の身の回りのものから出てきたとか言ってたっけ。
スイッチは既に折られていたりパテか何かで埋められていたのでもう付くはずが無かった。
ちーちゃん壊さないって言ってたのにね。
一つ一つ拾っていると何にもシールの付いていない盗聴器があった。
ポピパの誰かが持っているやつは誰がどの盗聴器を持っているか分かるようにシールが貼ってあるんだけどそれがなかった。
俺「なんだこれ。シール貼り忘れたのか」
その瞬間盗聴器から通信のときによくある雑音のジジジ・・・と音が鳴った。
俺「うわ」
もちろんスイッチは壊されていた。
なのに音が鳴った?
しかも盗聴器って受信機能は無いはず。
これは盗聴器ではなく超小型無線機なのか。
確かに他の盗聴器よりかは少々形が違うようにも感じた。
「聞こえ・・・る」
俺「だ、誰?」
変声器に通されたような声と雑音混じりの音が出た。
「私は・・・今は気にしないで。お風呂場の横に・・・窓があると思うんだけどそこを開けてもらえる?」
俺「脱出するってことですか?」
「そうだよ」
俺「このままいても仕方ないし・・・よしのった。あなたに賭けてみる」
「ありがと」
そこで通信を切るとお風呂場の横の窓を開く。
ギリギリ出れそうな大きさだ。
再び通信機から声が聞こえる
「そこからでれそうでしょ」
俺「窓の大きさは問題無いけど・・・今裸で・・・」
「じゃあ着替えを投げ込むので着替えた後速やかに窓から出て」
俺「了解」
すぐに服が投げ込まれる。
これ俺の服ではない。
わざわざ用意してくれたのか。
一体誰なんだ。
簡易的な感じで着やすい服だから速攻で着ることが出来た。
俺「終わりました。今から出ます」
「くれぐれも気をつけて。出たら庭に私がいるから合流しましょ」
その言葉が終わらないうちに窓から出た。
そこにいたのは
燐子先輩だった。
俺「えっ燐子先輩!?」
燐子「ふふ、お久しぶり、今は話してる暇ないから早く逃げるよ」
俺「え、ええ」
燐子「大丈夫?歩ける?」
俺「ちょっと辛いです」
燐子「じゃあ私に掴まって行こっか」
俺「すいません」
燐子「いいんだよ」
俺「あ、あの燐子先輩」
燐子「何かな?」
俺「あの無線機のスイッチ壊されてたのにどうして使えたんですか、あとこの服って?」
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