ハーメルン
ギレンの野望(笑)
12話 UC0070年9月


「ここならば周囲の目を気にしないで話して大丈夫です。」

「ウム。」

「単刀直入にお伺い致します。ギレン閣下は何処まで「箱」についてお知りになっているのですか?」

「ウム。私が知っているのは「箱」を貴方が握っていること。「箱」の正体。そして貴方が羊飼いとして「箱」を入手した経緯位のものだ。」

「いったい何処でそれを…?」

フム…。脅して従える事もできるだろうがユニコーンでみた限りサイアムは味方にできる可能性がある。ここは一つ賭けに出るとするか。

「サイアム会長。貴方は「夢」を見たことはおありかな?」

「?夢ですか?」

「そうだ。一つ目の巨人が宇宙を飛び回りコロニーが地上に向け落下していく夢だ。」

「!!…。まさか…。」

「私は見たのだよ。その夢を。夢の中で首相官邸ラプラスが砕けちり貴方が「箱」を入手する姿を。そして我らがコロニーの大地が地上に落下し砕け散っていく瞬間を。
初めは可笑しな夢だと思っていたのだが繰り返し同じ夢を見る事で次第に夢の内容について興味を持つようになり調べ始めた。その中で貴方の存在を知る事で、私は単なる夢を見ていたのではなく過去や未来を覗き見ているのではないかと思い至るようになった。
だがそれはこれから先コロニーが地上に落ちるような大戦争が起きる可能性があるという事だ。」

「何と…。まさか…。あれがまさか未来の姿だとお考えなのですか?!」

「ラプラス事件が真実であった以上、それ以外の部分も真実として考えるべきであろう。だが、過去と違い未来はまだ変える事が出来る。
少なくとも今の私にはコロニーを地球に落とすような戦いをする気はない。しかし我がジオンが独力で連邦軍に勝とうとするならコロニーを落とす位の事をせねば勝ち目がないのもまた事実だ。故に私に貴方の力を貸してほしい。サイアム・ビスト。」

「私の力…ですか?」

「そうだ。我らジオンに巨大複合企業アナハイムと連邦すら恐れる「箱」の力が加わればコロニー落としなどせずとも連邦と渡り合う事も可能になるかもしれん。」

「…我らアナハイムは連邦と深く関わり過ぎております。閣下の望まれるような全面的な協力をさせて頂くのは困難かと思いますが…。」

「当面は陰ながらの支援でかまわない。わがジオンの製品をアナハイムでも積極的に導入する等のな。」

「その程度の事なら確かに私の裁量でも可能ですが…。」

「それから先はまた互いに誠意を示し、信頼関係を築いてから改めて相談できたらと思う。」

「…いいでしょう。ではまずはそのような形で。」

ふぅ…。なんとかサイアム・ビストとのファーストコンタクトは無事に終了した。
これでアナハイムがジオン規格の製品を多く使うようになれば開戦後に月を占領してからアナハイムと協力するのが容易になるだろう。
それでは最後にひとつ取引を提案してからボロが出る前に帰る事にしよう…。

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side
サイアム・ビスト

宇宙世紀元年、貧困のため報酬目当てでテロに加わった私は、仲間とともに作業艇で逃亡する最中、艇内に仕掛けられていた時限爆弾により船を爆破されてしまう。
たまたま外で作業中だった私はその衝撃で吹き飛ばされ宇宙を漂う中であり得るはずがない幻を見た。

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