16話 UC0072年2月
サイド3 ギレン邸
やあ…諸君。新年あけましておめでとう。ギレン・ザビである。
え?一年がたつのが早いって?良いんだよ。そうしないといつまでたっても一年戦争にたどり着けないからな。
前回ジオンの絆が本格稼働してからはア・バオア・クーがアステロイドベルトから地球に向けて出発した位で比較的平穏な時間が流れていた。
ジオンの絆も順調にプレイヤー数を増やしており、もう少ししたらランキング上位の人材を親衛隊にスカウトしようとかと考えている。…ていうかこのランキング1位のハンス・ウルリッヒ・ルーデルとか言うやつガンダムにいたっけ?
さて今日はYMS-03 ヴァッフで得られたデータをもとに開発していたYMS-04 ザクが完成したと聞き、性能確認の為にジオ・マッド社を訪れていた。
「あれがザクか?ミノフスキー博士?」
「はい。ギレン閣下。YMS-04 ザクはヴァッフに比べて機動性や運動性の面で一部劣っている部分があるものの、生産性や整備性、運用性といった戦場で必要とされる要素を高い水準で備えております。また、閣下から要望のあった脱出装置についても、脱出装置を兼ねた球形コクピットブロックを採用する事で実現しており高い生存性の獲得にも成功しています。」
「ふむ。それ以外にも私の出した要望を叶えてくれているようだな。」
見上げた機体には本来の機体には機体内に収められていた動力パイプがあちこち姿を覗かせている。
「はい。閣下が言われていた通り動力パイプを無理に機体内に詰め込むと廃熱問題により稼働時間に影響が出る事がわかりました。ですので、必要に応じて機体の外に出すようにして再設計致しました。また、ご要望の通り背部のランドセルに火器類の保持と使用も可能なサブアームを装備する事で利便性の向上にも成功しています。」
「これならば基地の警備や補給作業に使うには十分な性能だろう。至急量産に向けたテストに入れ。」
「承りました。」
ただ俺が組み込みたかったとあるシステムに対応できておらずジェネレーターの出力不足といった問題もあるので満足した出来ばえとは言えない部分もあるが数を揃えるには少しでも早く量産に入った方が良いからな。
「今後はこのザクをベースに改良を施し、一般兵向けの一つの機種で様々な局面に対応させる事が出来る汎用機と、エースパイロット向けのピーキーな性能ながら圧倒的な機動力をもつ宇宙専用機の二種類を開発せよ。」
「このザクではまだ閣下のご期待に添えませんか?」
「そんな事はない。それならそもそも正式に量産を命じたりなどせん。だが強大な連邦軍と事を構える可能性を考えるならばより高い性能を求めるのは当然の事だろう?それにザクにはまだMS用のOSを搭載できていないしな。」
「それは…そうかも知れませんが…。」
「汎用機については旧ジオニック社のメンバーに、高機動機について旧ツィマッドのメンバーにそれぞれ開発させるのが良いかもしれんな。そう言えば新しい戦闘車両の開発についてはどうなっている?」
「…はい。ご案内します。」
そう言うミノフスキー博士の後ろについていくと目の前に一つの車両が姿を現した。
「こちらがMBT-01 マゼラタンクになります。」
前回アナハイムとの裏取引で入手した61式戦車の設計図をベースに開発されのがMBT-01 マゼラタンクである。
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