18話 UC0073年2月
「?…。ヅダるでありますか?」
「ああ、あまりの急加速に耐えられず機体が自壊・爆発したりすることがないようにという意味だ。一般兵用に開発中の汎用機についてはどうなっている?」
「YMS-06 ザクⅡについては現在試作機を製作中です。ザクIのジェネレーターを改良する事で大幅な出力の向上に成功しており、それによって生じた余力を性能向上に使う事で2割程度の性能向上が見込まれています。」
「汎用性についてはどうなっている?」
「汎用性についてはほぼ無改造で宇宙、重力下、短時間なら水中戦にも対応可能となる予定です。試作機が完成次第、アクシズと地上で運用テストを行う予定です。」
十分な性能だとは思うがまだザクとして完璧ではない。どうせ「ザク」の名を冠するモビルスーツを開発するのであれば宇宙世紀以外からも良い部分を取り入れねばな。
「フム…。それではまだ不十分だな。」
「不十分…でありますか?」
突然の言葉に戸惑うギニアスに向かい言葉を続ける。
「そうだ。環境への適応力という意味では十分な性能だが単一の機体で様々な戦局に対応させるという意味ではまだ不十分だ。」
「しかし閣下、モビルスーツは既にマニュピレーターの採用により多種多様な装備に換装可能でありそれにより様々な戦局に対応で可能です。」
まあそれはそうなんだけどね。
「確かにモビルスーツは人型の兵器だがそれに囚われすぎる必要はない。例えば背中のバックパックに高機動戦や砲撃戦向け等の特化機能を付与し、その任務事に適したバックパックを換装する事であらゆる戦局に柔軟に対応させることが可能になるのではないか?」
「確かに技術的には十分可能ではあるとは思いますが…。」
間違いなく可能である。正史でもゲルググ高機動型で実用化されているからね。だがどうせバックパック換装で様々な機能を持たせるならばやはり我がジオン軍の主力となるザクⅡに持たせるべきだ。
「そうすればバックパックひとつ換装するだけでモビルスーツに機動歩兵や砲兵、工作兵、偵察兵、降下猟兵といった様々な特性を付与する事ができようになる。それは今後様々な戦局に対応せねばならない我が軍の助けに必ずなるだろう。」
「…。設計を一からやり直す必要があります。また、開発の為には色々なデータを追加で取得せねばなりません。それ故にかなりお時間を頂く事になると思いますが…よろしいでしょうか?」
まだ開戦まで6年近くあるし量産する時間を考えてもまだまだ大丈夫…のハズ
「3年を目処に量産に至れるように開発を進めよ。無論途中経過については逐次報告するように。」
「はっ!ジーク・ギレン」
さて…それじゃ家に帰ってリアルモビルスーツを操縦して遊ぶ…じゃなかった。テストパイロットとしてMS用OSの為のデータ収集をするかな。いやぁ忙しいなぁー。?え、どうしたメイ?テストパイロットについて相談がある??
一一一一一一一一一一一一
side
ギニアス・サハリン
「ザクⅡの設計を一からやり直すだと!?」
ミノフスキー博士から出た悲鳴はある意味当然のモノであった。私が彼の立場であっても恐らく同様に悲鳴をあげていただろう。ミノフスキー博士が声を上げる程にザクⅡの設計案は高いレベルでバランスがとれており、恐らく名機と呼ばれてもおかしくない程の出来映えであったからだ。
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