28話 UC0078年2月
サイド3 ギレン邸
やあ…諸君。新年あけましておめでとう。ギレン・ザビである。
毎年繰り返していたこの挨拶もこれが最後と思うと感慨深いものがある。
暁の蜂起以来連邦との関係は悪化の一途をたどっており、このまま進むと来年の今頃には連邦と開戦していてこんな呑気な挨拶はできないだろうからね。
幸いルウムを除いた各サイドでは反連邦の動きがだいぶ活発化してきており、展開次第では味方に引き入れる事も可能な情勢になりつつあった。
さて、恒例の兵器開発である。昨年ギニアスに開発を依頼した核融合プラズマビーム砲については大型で大出力のジェネレーターによるエネルギー供給を必要とするものの高い速射性をもつ「要塞砲 バハムート」と、小型でムサイの下に曳航して運用する使い捨て方式の「艦隊決戦砲 ヨルムンガルド」の二種類が完成し、現在連邦との決戦に備えてヨルムンガルドの量産を進めている。
また、開発の完了した地球侵攻作戦用の機体については小規模ではあるがア・バオア・クーで量産を開始し、その中でも水陸両用機についてはアナハイムの協力を得て秘密裏にキリスィマスィ島に運搬し、そこを拠点に地球侵行作戦に向けたデータ収集をしているところである。
…と言うかモビルフォートレス、ゾックをよく地上に運べたね?
そういえば、この前ゾックを作ったチームがモビルフォートレス、ヒルドルブの企画書を持ってきたが仮に完成した後どうやって地上に運ぶ気なんだろうか?
まあ無能とは程遠い人達なのでちゃんと運搬手段は考えているのだろうけど。
まあ問題はそれよりもビグザムだ!
ギニアスにビグザムの開発を依頼したと思っていたが気がついたらノイエ・ジールになっていた。
まだ試作中だし形が微妙に違う部分も多いのだがこのジオンの国章のような独特の形状は間違いない。
ギニアス曰くジオンのシンボルである閣下に相応しい形にしたという事であった。
因みに宇宙専用機なのかと思っていたらアプサラスの技術を流用した地上用ユニットを下半身に装着する事で飛行する事も可能になるらしい。
ノイエ・アッザムかよおい。
ただ、ジェネレーターの小型化やミノフスキー博士が開発中のサイコミュの小型化に難航しており、後1年で機体が完成するか微妙なところらしい。
…て言うかサイコミュ搭載するの?!
そう思い思わず確認したところ、兵装関連、特にアプサラスⅢ用に開発していたメガ粒子砲を小型化した腹部メガ・カノン砲の拡散モードの照準や多数の兵装の同時使用の為にどうしても必要らしい。
とりあえずサイコミュなんて動かせる自信がないのでサイコミュを搭載するなら複座にして貰うようにお願いしておいた。
乗るときはハマーンかララァに後ろに座って貰う事にしよう。
さて、アクシズが地球に向けて出発し、開戦に向けた準備も後ひとつを残すのみとなった。
詳しい描写をすると一瞬でバレるので控えておくが、Zガンダムからνガンダムまでどれにも出てきて超低コストのわりに効果抜群なアレである。
まあ概念さえ理解してしまえば開発失敗するはずがないのでこの話については省略する事にしよう。
それよりもノイエ・ジールの開発でビーム兵器に関する技術がだいぶ進歩したのでゲルググの開発に向けた基礎研究を進めて貰おうと思う。まあゲルググの完成は一年戦争開始後になるとは思うが。
さてそれでは連邦軍の現状について報告を聞くとするか。
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