4話 UC0068年9月
ジオン共和国中央病院VIPルーム
やあ…諸君。ギレン・ザビである。
この前思いつきで言ったジオニック、ツィマッド、MIPの3社の経営統合がめでたく決まったそうだ。新しい会社名は、ジオ・マッド社。果たしてMIP社は何処にいってしまったのだろうか?
3社の経営統合に伴う協議の中でジオン共和国政府としても支援をするべきだという話が出たようで、その結果軍から技術者を派遣する事になったらしい。
派遣される技術者の代表としてアイナの兄であるギニアス・サハリンが挨拶にきたのでお近づきの印にこないだ作ったプチモビのガンプラをプレゼントしてみた。
プチモビについてよく知らないようだったのでプチモビについて色々と説明してあげると何故かとても感動して尊敬の眼差しで見られた。気分が良かったのでまた何か作ったらプレゼントしてあげようと思う。
ついでにミノフスキー博士も資金援助のお陰でミノフスキー粒子の実証試験に成功したらしい。まあ実証できなかったら今後の展開が全て変わってしまうので無事発見されて良かった。
ミノフスキー博士から資金援助のお礼のメッセージがきていたので、ジオ・マッド社への勧誘とミノフスキー粒子を使った小型核融合炉の開発依頼を出しておいた。受けてくれるかはわからないが追加の資金援助をすれば何とかなるだろう。
まあそんなどうでもいい話は置いておいて、ついにこの日がやってきてしまった。そう。俺がこの病院を退院する日である。ここが痛い。あそこも痛い等と仮病を使い今日まで引き延ばしてきたのだが、これ以上引き延ばすとギレンとしての立場が危なくなるような気がしてついに退院する事を決意した。
決して見舞いにきたガルマに
「兄上はテロで傷を負われ病院に入院されているのに次々と色々な計画を立案されて凄いです!」
などと尊敬の眼差しで見られ後ろめたくなったとかではないのだ。
幸いサハリン嬢が退院後も身の回りの世話をしてくれる事になったので前世?で生活力に問題があった俺でも安心である。
退院に伴いサハリン嬢に「入院中は世話になった。これからもよろしく頼むぞ。サハリン嬢。」と言ってみたところ、
「少しでもギレン閣下のお役にたてていたのなら嬉しいです。私の方こそ至らない所ばかりですがどうかよろしくお願いします。後、よろしければこれからはサハリン嬢ではなくアイナとお呼びください。」
と、キラキラした瞳で微笑みながら呼び捨ての許可を貰ってしまった。これは知らない間に何かフラグをたててたのか?!
まあ冗談はさておき、病院から退院すればもうあーんはして貰えないのが退院に伴う唯一の心残りだ。
後、退院に伴いザビ家親衛隊がキシリアの下から俺の下に配置替えになった。今回爆弾テロの標的にされた事から俺の警備を強化する意味も兼ねてそうする事になったらしい。説明するキシリアの矢のように鋭い視線を受けながら俺は思った。
もう一度入院したいぜ…。
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side
アイナ・サハリン
ギレン閣下の側にお仕えさせて頂くようになって5ヶ月の時間が過ぎました。
誰かの身の回りのお世話をさせて貰うのは私に向いていたようで日々充実した時間を過ごさせて頂いています。
なので先日閣下に抜擢して頂いたお礼を言いに来た兄に、退院後も閣下のお側で働いてみる気はないかと聞かれた時には是非働かせて貰いたいです!とすぐに答える事が出来ました。
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