ハーメルン
ギレンの野望(笑)
9話 UC0069年12月24日

サイド3 ギレン邸

やあ…諸君。ギレン・ザビである。
もう少しでUC0069年は終わろうとしているが、引き取ったメイ嬢との間に大きな壁を感じる今日この頃である。
アイナ嬢とは姉妹のように仲良く振る舞ってくれているのだが、そこに俺が近付くと途端に静かになってしまう。やはり彼女からしてみれば俺は父親の敵のようなものなので距離感が難しいな…。
とりあえず今日はクリスマスなので日頃の感謝も込めてサンタクロースの格好になってみた。え?ギレンのイメージじゃない?まあ身内相手だし良いじゃないか別に。

俺はそう思ったので、サンタクロースの格好でリビングに入っていくと談笑していたアイナ嬢とメイ嬢が俺を見て凍りついた。

「メリークリスマス。アイナ、メイ。サンタクロースだぞ。」

そう俺が言った途端。

「アハハハハハハハハッ。」

「くすッ。くすくすくす。」

めでたく二人が大爆笑してくれた。特にメイ嬢は屋敷に来て初めて私の前で笑ってくれたのだ。頑張った甲斐があったというものだ。
また、クリスマスプレゼントとして用意したアイナへの懐中時計とメイ嬢への最新型ノートパソコンのプレゼントも大好評だった。
その後リビングで二人と共に楽しい一時を過ごした後、部屋に戻った俺を待っていたのは、キシリアからの頭が痛くなる報告であった。

「連邦軍の軍備増強計画だと?」

「はい。兄上。どうやら先日竣工したパプワ級ミサイル巡洋艦、チベ級航空戦艦を警戒して、コロニー税を財源に大規模な軍備増強計画を立てているようです。」

「まさか連邦が30倍以上の国力差があるにもかかわらずコロニー税を財源として大規模な連邦軍の増強を図るとはな…。下手をすれば全スペースノイドの反発を受けるというのに…。」

「また、どこから情報が流れたのかわかりませんが、連邦軍でもミノフスキー粒子を軍事利用しようという動きがあります。」

「なんだと…?」

「今のところ連邦軍が注目しているのはメガ粒子砲の威力と艦艇の動力炉としてのようですが。」

「そうか…。」

まあ従来型の艦艇ならMSの敵ではないので当面は心配ないだろう。けれど近いうちに何か手をうつ必要があるな…。

「ご苦労。引き続き情報の収集にあたってくれ。」

「はい。ところで兄上。カーウィン家の娘を養女として迎え入れたと聞きましたがまことですか?」

うわ…キシリアなら追及してくると思っていたけどやっぱりきたよ。

「事実だ。それがどうしたというのだ。」

「爆弾テロの主犯の娘をザビ家に迎え入れるなど、兄上は何をお考えなのですか?!」

「キシリア。我らザビ家は勝者だ。勝者は敗者に対し寛容でなければならない。何故なら勝者が勝者として存在するには敗者が必要だからだ。ダイクン派という敗者がいるからこそ我らザビ家は勝者足り得るのだ。」

「…。しかし…その娘の父親は我らに牙を向けたのです。それをザビ家に迎え入れるのは…。」

「父の罪は父の罪であり、娘であるメイとは何の関係もない。
それに、私がダイクン派の娘を引き取った事はザビ家が敗者に対し温情を示す証となり今後の政局に良い影響を及ぼすだろう。故に私は今回の決定を変える気はない。」

「わかりました。しかし私が娘を引き取る事に反対している事だけは覚えておいていただきたい。」

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