紅の絆②
【sideめぐみん】
翌日。クロを詰めた鞄をブラブラさせながら、いつもより早めに学校へ向かっていると、たまたま朝の鍛練とやらを終えたみんちゃすとばったり会う。せっかくなので将来起きるであろう我々の最終決戦のシチュエーションについて議論を交わしながら一緒に登校していると、通学途中で見覚えのある三人を見つけた。
「ありがとうゆんゆん! 助かったー! お礼は必ずするからね!」
「い、いいよお礼だなんて! と、友達だから! そ、その……、それより、このまま一緒に学校に……」
それは、ふにふら、どどんこの地味っ子ペアとゆんゆんの三人だった。
「みんちゃす、アレ……」
「……チッ、あんのバカ娘が……」
ゆんゆんからなにかを受け取ったふにふらは、愛想笑いを浮かべながら。
「あー……。ご、ごめんね? 今から、すぐにこれ持って行ってあげないとさ」
「そうそう、急がないとふにふらの弟が……。ゆんゆんは先に行ってて?」
「あ、そ、そっか……。ごめんね気が利かなくて……。それじゃ、また学校で」
そう言って、二人に笑顔を見せたゆんゆんは、一人トボトボと学校へ向かった。しょんぼりと肩を落としながら歩く後ろ姿が哀愁を漂わせる。それをしばらく見送ると、ふにふらとどどんこがポツリと言った。
「ちょ、ちょっとだけ良心が……」
「い、痛むよね……」
「フフフ……。それならば、そんな事しなければいいものを」
「まったくだな」
「「!?」」
背後からの私達の声に、二人はビクッと震え慌てて振り向く。
「めぐみん!? それに……み、みんちゃす……い、いつからそこに!?」
「わ、私達とゆんゆんの話は、どこから聞いていたのさ!?」
私達二人、とくにみんちゃすに怯える地味っ子ペアに私は……
「どこから聞いていた、ですか? それは……」
――――――――
「へぇ……こんな物読んでるんだ?」
「あははっっ、ていうかこんなタイトル初めて見たー!」
「いつも一人ぼっちだしカワイソーって感じだよねぇ!」
「うぅ……」
「こんなもの読まなくったってさ……私達が友達としてあそんであげるのにね」
「え……ほ、本当っ!?」
「わっ」
「うっ……うん」
(中略)
「ええと……これが友達同士のあそび……?」
「そ、そうよ。この間の身体測定の時聞いたけど、また育ったんでしょ……?」
「ちょっと見せてみなよー!」
「あ……あの初めてなので優しく……お願いします」
「は、はい」
―――――――――
「……と、ゆんゆんに恥ずかしい秘密を暴露されたくなければ黙ってエッチな要求を聞けと、二人が脅していたところからですよ」
「してねーから! あたし達、そんな事はしてねーから!」
「なんでそんな要求するのさ! あんた、私達をなんだと思ってんのよ!」
「落ち着け地味っ子ペア」
「「誰が地味っ子ペアよ!?」」
私の軽い冗談やみんちゃすの全く宥める気の無い悪意ある呼び名に、二人は真っ赤になって抗議する。
「ちょっと、その……。ゆんゆんからお金を借りただけよ。実は、あたしの弟が、さ……」
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