初陣①
今更だが今回行われるエンブレム争奪戦の詳細ルールについて説明しよう。
試合時間は五分。
勝敗条件は試合時間終了までにより多く『ポイント』を集めていた方の勝ち。
ポイントは『エンブレム』と呼ばれる紋章がフィールドの一定の位置に出現するのでそれを取るか、相手のプレイヤーを倒すことによってポイントが取得できる。
武器スポットから出現する武器は試合開始時に打撃武器・射撃武器・法撃武器から各一種類ずつランダムに選出される。
バトルフィールドは森林・昼。
人数は6対6で、今回選ばれた武器はソード、アサルトライフル、ロッドの三種だ。
偶然にも、バトルアリーナが実装された最初期と似たようなルールである。
昨今のバトルアリーナは人数は最低1対1のタイマンから最大64対64の大規模戦闘まで好きに設定できるうえに、出現する武器を十八種類全てにもできるし、そもそもエンブレム争奪戦以外のルールもあったり、と、
ルールがかなり自由に設定できるようになったこともあり、このルールを『懐かしい』と表現する人もいるだろう。
特に、選出された武器が秀逸だ。
ソード、アサルトライフル、ロッドは一番最初の最初、ほぼベータ版みたいな頃のバトルアリーナではこの三種しか実装されていなかったのである。
さて、そんな余談は兎も角。
エンブレム争奪戦において重要なのは『虹エンブレム』が出現する場所に陣取ることである。
エンブレムには虹、敵チームの色、自チームの色の三色が存在し、虹エンブレムは最もポイントが多く貰えるエンブレムだ(虹は十点、敵チームの色は五点、自チームの色は一点)。
森林エリアではエリア中央に虹エンブレム出現スポットがある。
そこを陣取ったチームが勝つと言っても過言ではないほど重要度が高いスポットなので、赤チームも青チームもまずは中央を目指すのがセオリーだ。
だから当然、メロディルーナとヒカリも戦場に降り立ったとほぼ同時に虹エンブレムが湧き出る中央地点へと走り出すのであった。
「おー! これがエンブレムね!」
中央に向かう途中、ヒカリは赤い色のエンブレムに触れた。
エンブレムは人間ほどのサイズがある、星型のプレートだ。
触れた瞬間、エンブレムは軽く弾けて消える。数秒すればまた現れるが、このエンブレムを取っても一点しか貰えないので待つのは損だ。
「あたしたちは赤チームだから、今ので一点貰えたってわけね?」
「う、うん。一点ずつじゃ効率が悪すぎるから、赤エンブレムは取れたら取るくらいの気持ちでいいよ」
言いながら赤エンブレムが出現する地点を通り過ぎ、二人は中央へ。
コンテナの後ろに身を隠して、メロディルーナは地図を開く。
地図には現時点では地形と味方の位置が載っている。味方と効率よく連携するために、地図の利用は重要だ。
味方は今、一人が早々にやられたのか初期地点に一人、左右の道にそれぞれ一人ずつ、そして中央には二人と同じようにコンテナに身を隠しているソード持ちのリリーパスーツを着た味方が一人。
森林ステージは中央が大事なのは先述の通りだが、左右にも一本ずつ相手陣地に繋がっている道も放っておけない。
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