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調査兵団は昔の城跡についた。
「なぁ、こんなボロっちいところで休むのか?」
イザベルが言う。
「確かにこの壁は年季が入った心許ない壁だが・・・昔の城跡を上手く利用しているみたいだ。巨人が攻め込まれたらひとたまりもないだろうが、夜を明かすぶんには大丈夫だろ」
「そっか、巨人は夜は動かねぇんだったな」
「とは言っても壁外だ。何が起こるか分からん、油断はするなよ」
呑気に話していた2人をリヴァイが注意した。
中に入ったリヴァイ達はある事を話していた。
リヴァイ達はロヴォフからエルヴィンが持つ書類の入手とエルヴィンの殺害を依頼されていた。ファーランはエルヴィンの部屋を漁ったが書類は見つからず、持ち歩いていると予想した。そこでエルヴィンがキースと遠くに行った間に探すと提案し、ファーランとイザベルが探している間リヴァイは足止めを頼まれた。
結局書類は見つからず、肌身離さず持っていると判断し殺害を計画しようとした。
「ちょっといいかな。やぁ見ていたよ。決定的瞬間!」
ハンジが話しかけて来て3人共警戒した。
「決定的瞬間?何のことだ・・・?」
「何って・・・君が巨人を倒すところに決まってるじゃないか!!」
リヴァイは右手を荷物の下に隠していたナイフの柄を握り、何時でも刺せる状態をとっていたが、計画の事ではなくナイフから手を離した。
「ホント凄かった!!思わず滾ったよ!!」
「・・・ああ・・・」
「私はハンジ・ゾエ。君はリヴァイだよね?そっちの子がイザベルで、あとーとー」
「ファーランだ」
「そうそうファーラン!!よろしく!!」
ハンジはリヴァイとイザベルの名は覚えていたが、ファーランの事は覚えていなかった。本人から名前を聞き、ファーランの肩を叩きながらイザベルとファーランの間に座り込んだ。
ハンジはリヴァイに色々聞くが、バッサリ切り捨てられた。
「色々答えてやったんだ。俺の質問にも答えてもらうぞ」
「いいよー何が聞きたいの?巨人のこと?」
ハンジは後半にかけて鼻息を荒くして言った。
「違う。奴は何者だ?」
「奴?」
「俺達と同じ班の銀髪だ」
「ああギルの事か・・・ギルはね・・・」
「人の事を勝手に喋るんじゃねえ」
ハンジがギルの事を話そうとすると、後ろからギルが現れ、ハンジの口を塞いだ。
「俺の事を知りたいなら、生き延びる事だ」
そう言いギルはハンジを連れて行った。
翌日日の出と共に調査兵団は城を出た。
「全隊、長距離索敵陣形に展開せよ!!」
エルヴィンの掛け声で全ての部隊が展開した。
展開して直ぐ右翼から赤の信煙弾が発射された。
信煙弾は4種類あり、赤が巨人を発見した際に使う煙弾。緑が進路方向を指し示す煙弾。黒が奇行種が出現した際に使う煙弾。黄色が作戦成功または失敗を知らせる際に発射される煙弾。
赤の信煙弾を確認したエルヴィンは左方向に向けて緑の信煙弾を発射し、他の部隊も同じ方向に緑の信煙弾を発射した。
順調に進んでいたが、雨雲が広がって来て一気に振り出してきた。
声も聞こえづらくなって、信煙弾も使い物にならなくなって、索敵機能は失われた。
リヴァイ達はエルヴィンの殺害と、エルヴィンが持つ書類を奪う事をロヴォフから依頼されており、好機と見たリヴァイ達が一人でエルヴィンのいる中央に向かった。
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