5話 奏の苦悩
市街地
その頃、並行世界の方では奏達がノイズの群れと戦いを繰り広げていた。アイザックと王虎はうんざりしてはいたものの息を切らしていなかったが、翼と奏はバテバテだった。
翼「はぁ…、はぁ……。さすがに数が多すぎる…」
奏「はっ…息が…、あがってる…な…。…はぁ、はぁ…。疲れたなら、1人で帰ったら、どうだ…?」
翼「絶対に…帰らない!」
奏「なら、気合入れな!さぁ、まだまだ行くよ!」
ノイズの群れは一向に減らず、アイザックと王虎はまだノイズの殲滅が済んでいないために合流できなかった。
翼「一体、どれだけのノイズが…?アイザック達もあまりの多さに私達と合流できない上、流石に私も奏も限界が近い…」
奏「…歌うしかないな」
翼「まさか…、絶唱を!?」
奏「…それ以外にこのノイズの群れを倒す手段があるのかい?」
翼「いや、しかし…」
奏「躊躇するならそのまま見てな。…あたしはもう躊躇なんてしない」
翼「待って、奏」
奏「…邪魔するんじゃないよ」
翼「絶唱なら私も唄う。…もう奏を1人で歌わせるのはたくさん」
奏「お前…そうか、そっちではあたしが唄ったんだったな…。いいよ。それじゃあ、派手にぶちかまそうか!」
???「その絶唱、ちょーっと待ったぁ!」
奏は絶唱を唄おうとしたが、突如として誰かがやめろという声がした。
翼「立花!?」
マリア「全く…だから翼からは目が離せないのよね」
翼「マリア、星矢達…戻って来てくれてのか!」
奏「…ったく、いい所で再登場か…」
響「後は私達が引き受けます!2人は少し休んでから」
奏「バカいってんじゃねえよ。こちとらようやく体が温まってきた所なんだ」
翼「…ああ、ノイズを前にしてただ見ているだけなど、防人としてできるわけがないだろう」
星矢「全く、意地の張り方とかで似た者同士だな、お前ら。それなら、全員でやろうぜ!」
奏「ああ、頼む」
奏が初めて『頼む』と言った事に翼はおろか、星矢達も驚いていた。
氷河「(初めて頼むって言ったな…)」
奏「今はお前達の力が必要だ…」
響「はい!どーんと頼りにしちゃってください!」
星矢達の光速拳と響達の活躍であっという間にノイズの群れは一掃された。
響「お疲れ様でした。奏さん、翼さん!」
マリア「あなた達、一体どれだけ戦ってたの…?」
奏「そんなの覚えちゃいないよ」
翼「私もだ。片っ端から斬り続けていた…。ところで5人とも。戻るのが随分早かったな…」
星矢「そりゃ、俺達の世界にもカルマノイズが現れたんだ」
翼「何だと!?」
紫龍「しかも、この世界の異変を治めなければ次は俺達の世界に本格的に現れる。他人事ではなくなってきてるぞ」
特異災害対策機動部二課
星矢達はエルフナインから受け取ったチップを了子に渡した。
了子「ふむふむ…それで、これが受け取ったチップね。研究欲が刺激されるわぁ~」
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