最高の休日と最悪な休日
どうも皆さん、お久しぶりです、ヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフ少尉です。
本日は訓練も終わり、休日という事もあって、街を歩いてた所、偶然グランツ中尉と会いました。
どうやら、その日はヴァイス中尉達がナンパを行っているようなのだが、誰がモテるかどうかどうか賭けを行う事になりました。
今回の賭けはアップルパイが食べられる事もあって、張り切った所、見事私の賭けは成功したようでうれしく思っていましたが
「あれ?」
「どうかしましたか?」
「何やら見覚えのある影が」
そう言ったので、私も一緒に覗いてみると
「「「しょ少佐殿!!それにしろがねさん!!」」」
「んっなんだ貴官らか。
偶然だな」
そこに立っていたのは、普段は見慣れない白いスカートを着て、髪を整えている少佐殿と見慣れた医者の服とは違い茶色いコートを身に纏っており、ある程度まで手を伸ばせるタイプに変わっている魔導手錠を身に着けているしろがねさんだった。
休日という事もあってか私服姿の二人を見るのは新鮮だけど、それよりもヴァイス中尉達はその様子を見て驚いていた。
「しょっ少佐殿こそ、なぜこんな所に、しかも私服でありますが」
「見ての通り、デートだよデート。
貴官達も知っているだろ」
「いっいえ、それはその」
どう見ても、歳の離れた兄妹が出掛けている所でしか見えず、苦笑いを浮かべる事しかできない。
「なに、私が通っていたゾルカ食堂へしろがねを誘いに来ただけだ。
しろがねの煎れるコーヒーもなかなかだが、あそこの店もお気に入りだからな」
しろがねさん、確か捕虜扱いだったはず。
なのにコーヒーとか雑用させても良いのだろうか?
いや、本人だったら進んでやりそうだけど
「そういえば、貴官らは何を」
「あっいや」
「それは」
「その」
思わずどう返答したら良いのか分からない様子で皆黙ってしまったが、その様子を見て大尉は何やら納得したようで
「あっなるほど、聞くだけ野暮だったようだな」
「いえいえ、そんな事は!!」
「我々は帝国軍人として」
「節度ある行動を」
「あぁ分かっている、なにたまの休日だ。
ハメを外しすぎないように」
「ターニャ、ターニャ」
「なんだ?」
「あれ」
しろがねさんが指を指した方をその場にいた全員が見ると、そこには先程までナンパに成功して連れてきたはずの女性が、憐れむような目をしながら離れていった姿だった。
「「「「なっ!!」」」」
その目だけで、何が起きたのか察したのか、その場で4人は思わず手を地面に置き落ち込んでしまった。
それを見て、さすがに少佐殿も頬を掻きながら苦笑いをした。
「えっあぁ、その邪魔したようだな。
悪気はなかった、行くぞしろがね」
「あっあぁ」
そう言って少佐殿はその場から離れていった。
そして、その場に残ったヴァイス中尉達はナンパに失敗した事に落ち込んでいた。
「なんというか、予想外の結末」
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