ハーメルン
タイムスリップ令和ジャパン
012 戦争の与えた影響

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 日本ソ連戦争の終結は新しい体制の誕生でもあった。
 日本の国威増大と反比例するソ連の国際的地位の暴落。
 それが世界中へと影響を与えていく事になった。


――日本
 建国したばかりであった千島共和国は、樺太北部を含めて拡大し、オホーツク共和国へと改名する事となった。
 日本のODAにて行われたオハ油田の開発によって、日本の邦国で随一の豊かさを誇る事に成る(※1)。
 又、戦訓を元にした軍備の再編も行われる事となった。
 問題視されたのは日本連邦が防衛する規模に対する自衛隊の規模の少なさであった。
 戦車等の装甲車の不足も深刻であった。
 如何に現行の装備が優れていても、その数が余りにも劣ってしまっていては問題である事が認識されたのだ。
 自衛官への成り手は、タイムスリップによって発生した経済的な混乱の余波として、志願者が増加傾向であったのが救いではあった。


――アメリカ
 日本ソ連戦争の結果、ソ連の圧力の消えた関東州および満州で経済活動を活発化させる事となる。
 食料に関しては、適正価格である限り日本はほぼほぼ無限に買い取っていく為、どれ程生産しても問題が無かった。
 溢れたアメリカの金の投資先として活性化していく事となる。
 又、その中で日本製のトラックや耕作機械が販売されて行く事となる。
 これは観戦武官として日本を訪れていた将校が発見し、報告したものが伝わった為であった。
 アメリカと日本の物価(経済力)の差から日本製の耕作機械は非常識なほどに高額なものであったが、同時に、その能力もアメリカ製のソレとは段違いであった為、満州に入植したアメリカ人にとって日本製の耕作機械を買う事は、1つのステータスシンボルとなっていった。
 又、農業のみならず、土木作業などの現場でも日本製のものが、その性能もさる事ながら故障率の低さでステータスとなっていくのだった。
 只、ステータスであるが故に狙われる事が多く、アメリカにとって大きな悩みのタネとなっていくのだった。
 満州の開発と開拓、そして調査の際に油田の存在が発見された。
 在日米軍経由で日本に確認した所、後に大慶油田と命名される大油田であった事が判明する。
 この発見を期に、アメリカは中国への進出を強めていく事となる。


――チャイナ
 アメリカによる満州開発と、その利潤に目の色を変える事になる。
 特に石油は大きかった。
 それまでは満州に大きな意識を向けて居なかったが、満州と関東州のアメリカの投資と比例する様に返還運動が発生していく事となる。
 とはいえ、アメリカ側は一顧だにせず。
 チャイナとアメリカとの確執となっていく。


――ソ連
 日本ソ連戦争によって膨大な賠償金を背負う事になった。
 とは言え成立してまだ国力の弱いソ連が簡単に返済出来る訳も無く難儀する事となる。
 その為、日本は提案として返済の一環として、シベリアでの採掘権を売却する事を提案する。
 租借では無く、国策企業としてシベリア資源開発公社を作り、そこを経由して資源売却を行うものとするのである。
 これに、ソ連は乗る。
 資源開発に伴うインフラ整備に関しては、日本が投資を約束した為、遅れているシベリア開拓事業が進む事を夢見たのだ。
 尤も、この事業で売却された鉱山は高利益を望める場所ばかりであった為、ソ連にとっては頭の痛い問題となった。

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