002 日本の混乱
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1925年へと飛んだ日本は、世界とのネットワークが全く途絶している事に気付いた。
緊急事態対処として国会を召集。
併せて日本政府は在日米軍司令部を含めてアメリカ大使館と協議を行った。
その後、各国大使館と協議を行った。
アメリカが優先されたのは、在日米軍あればこそであった。
原因は不明。
されど、中華人民共和国の次元振動弾が原因ではないかとの推測はされていたが、詳しくは判らなかった。
海上自衛隊と航空自衛隊、海上保安庁が周辺捜索を開始。
朝鮮半島は兎も角と、近い国家である台湾への連絡回復をと船舶の派遣を決定した時だった。
北側対馬海峡で警戒中の海上保安庁より、至急とされた報告が内閣府に届けられたのは。
船舶の領海接近を確認し対処しようとしたらトンデモナイ事が判った、と。
彼らは古臭い駆逐艦でやってきた。
曰く「朝鮮総督府より、連絡の途絶した内地の状況を確認する為に来た」のだと。
日本政府に、日本がタイムスリップをした事が初めて伝わった瞬間だった。
混乱のるつぼに叩き落とされた日本。
同時に、世界も混乱した。
極東の列強末席が、一夜にして別の存在へと成り替わっていたからだ。
そこからの1年は混乱と混沌の時間だった。
日本にとっても、世界にとっても。
――領土問題
最初に問題となったのは、残された日本帝国の領域、朝鮮半島、台湾島、関東州、樺太南部、南洋諸島だった。
国際連盟や米英仏などの太平洋領域に権益と権限とを持つ列強とも協議した結果、日本政府は暫定的ながらも日本帝国の権利と義務とを負う事になる。《ref》
日本帝国の権利権益と義務継承の対価として、日本は日本帝国が結んでいた対外外交条約と貿易協定を継承する事が出来た。
このお蔭で、死活的問題となりつつあった資源の輸入に関して一息つける事となる。
資源不足に日本の足元を列強が見なかったと言うのは、一見すると不自然であるが、国際連盟にせよ列強にせよ、世界大戦が終結したばかりの現状で世界が不安定化する事を望まなかった事が理由であった。
又、各列強 ―― 日本の米国大使館や英国大使館などが全力で、アメリカやブリテンに対して日本を追い詰めない様に働きかけたと言うのも大きい。
各大使館は理解していた。
追い詰められた時の日本人が何をやらかすか判らないと言う事を。
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