ハーメルン
鬼滅の雨
最後の夜

最終選別 七日目

とうとうこの日を迎えた。

今日を乗り切れば最終選別は終わる。

終わるのだが…………

「無理無理……死ぬよ俺、絶対死ぬ、死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」

この隣にいる奴をどうにかしないとな。

この男の名前は、我妻善逸と言って、同じく最終選別に来た鬼殺隊志願者なのだが、こんな感じにずっと怯えて鬼から逃げ回ってる。

六日目の夜に此奴と出会い、鬼に追われており、見過ごせなかったので助けた。

すると「俺を守ってくれえええええええ!!」と涙ながらに叫び、俺にしがみ付いてきた。

最初こそ、断り、引き剥がそうとするもコイツ意外と力があり、下手すると俺の羽織が破れかねなかったので仕方なく、今日まで一緒に行動をしていた。

「善逸、何も無理して戦えとは言わないから、せめて戦闘の時は俺にしがみ付くのはやめてくれ」

「何でだよぉ!それじゃあ、俺死んじゃうだろ!」

「仮にも六日目まで生き残ってるんだから、そう簡単に死ぬわけないだろ!お前だって呼吸は使えるだろ!」

「そんなの無理に決まってるだろ!俺、一つしか使えないんだから!」

「はっ!?一つしか使えない!?」

「……俺、元雷柱だった育手のじいちゃんの所に居たんだけど、俺凄く覚えが悪くて壱の型しかできないんだよ。最終選抜だって、本当は来たくなかったのに、爺ちゃんが無理矢理連れて来て…………」

とうとう涙まで流し始めた善逸に俺は、困惑した。

出来ないことはしょうがないと俺は思う。

でも、型を一つしか使えない奴を死ぬ危険のある最終選別に無理矢理いれるなんて、何を考えてるんだ、コイツの育手は………

その時、俺の目に周りの空気の流れが変わるのが見えた。

咄嗟に背後を振り向き、刀を構える。

「ひっ!た、辰二……鬼が来る……!それも一匹や弐匹じゃない……もっと来る……!」

「何!?」

「獲物だぁ!」

「俺のモンだ!手ぇ出すんじゃねぇ!」

「バカ言うんじゃねぇ!俺の肉だ!」

「ふざけんな!俺が目ぇ付けてたんだぞ!」

「最初にテメェを殺すぞ!」

すると、俺たちを取り囲むように五匹の鬼が現れた。

空気の流れ具合から、相手が一匹じゃないのは分かっていたが、五匹だと!?

しかも、その内の一匹が何かを俺に投げ付けてくる。

それを刀で弾き、地面に落として、俺は驚愕した。

それは人間の手だった。

あっちこっち噛まれており、骨が見えている。

「ケッ!残りカスをしゃぶるのも飽きたからな。たっぷり食わせてもらうぞ!」

「くっ!善逸!戦いたくないとか言ってる暇はないぞ。死にたくなかったら、戦え!」

後ろにいる善逸に声をかけるも、反応がない。

振り向くと、そこには気絶し動かない善逸が居た。

こ、コイツ……この状況で気絶しやがった………!

「……ぐぅ」

違う!気絶じゃなくて、寝てやがる!

「ハハハハハ!なんで、あの髪がおかしい奴は!」

「寝てやがるぞ!」

「あいつから食ってやる!」

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