ハーメルン
鬼滅の雨
色変わりの刀

最終選別を終えて、十日が経った。

日課となっている走り込みを終え、雨屋敷へと戻ると、師匠が誰かと話していた。

「師匠戻りました」

「帰ったか。辰二、お前の刀が届いたぞ」

「本当ですか!?」

「ああ。この人が届けてくれた」

そう言ってしようが指をさしたのは、さっきまで師匠と話していた編み笠を被った人が俺を見る。

その人はひょっとこのお面を付けていた。

「君が打鉄辰二君だね?私は、刀禰平(とねひら)鋼始郎(こうしろう)と言う者だ。君の刀を打たせてもらった。早速だが、刀の受け取り、いいかね?」

三人で屋敷へと戻り、刀禰平さんは背負っていた風呂敷包みを下ろし、風呂敷を取る。

木箱を開けると、そこには一本の刀があった。

「こいつが君の日輪刀だ。陽の光を吸収する“猩々緋砂鉄”と“猩々緋鉱石”を原料としているから、不死身である鬼に対して、その頸を斬る事で“殺す”事ができる唯一の武器」

刀を取り出し、俺へと差し出す。

「日輪刀は、別名“色変わりの刀”と呼ばれていてね、持ち主によって、その刀身の色を変えるんだ」

「色?」

「ああ。呼吸の適正によって、日輪刀の色は異なるんだ。炎の呼吸なら赤、水の呼吸なら青、雷の呼吸なら黄、風の呼吸なら緑、岩の呼吸なら灰って具合にだ」

そう言って、師匠は自分の刀を見せる。

「雨の呼吸の使い手の日輪刀は、こんな風に透き通るような水色の刀身になる。お前の刀身も、俺や仙治郎さんと同じ水色になるはずだ」

「なるほど………」

そう言い、俺は刀を受け取り、鞘から抜く。

すると、日輪刀の刀身の色が変わり始めた。

「………え?」

「これは!」

「……そう来たか」

上から俺、刀禰平さん、師匠の順で声を上げる。

何故なら、俺の刀は、師匠や爺ちゃんと同じ、透き通るような水色ではなく、透明だった。

刀本来が持つ鋼の色すら消え、硝子の様な透明感を持った刀になっていた。

「えっと………こんな風に、刀が透明になることって、あるんですか?」

「いや……少なくとも俺は聞いたことはない」

「私も初めてですね。ちょっと失礼」

刀禰平さんが、俺から刀を取り、色々調べる。

「ふむ……刀本来の色が完全に消えている………ですが、強度は問題なさそうですね。私の方でも、この現象について調べてみよう」

刀を鞘に納め、俺に返してくれる。

その後、刀禰平さんは帰り支度をし、早々に帰っていった。

「その、師匠、なんかすみません」

「ん?何謝ってんだ?」

「いや、刀が師匠や爺ちゃんと同じ色にならなくて……」

「色はどうしようもないだろ。お前が気にすることじゃねぇよ。てか、透明の方がむしろ雨っぽくていいじゃねぇか」

そう言って笑う師匠を見て、少しあった罪悪感もなくなり、俺は改めて、渡された刀をよく見る。

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