ハーメルン
鬼滅の雨
力を貸すこと

「うおおおおおおお!猪突猛進!猪突猛進!猪突……猛進!」

山の斜面を駆け上った伊之助は、最短距離で銃声が聞こえた場所へと向かった。

そこでは数人の猟師が猟銃を手に鬼と対峙していた。

鬼は浅黒い肌をしており、手にはへし曲げられた猟銃があり、足元には腹を貫かれた猟師の遺体。

例えるなら、黒鬼だろうか。

辰二なら猟師たちの安全を優先し、黒鬼へと先制攻撃するだろう。

そして、伊之助もそれは同じだった。

あくまで、先制攻撃と言う点では………………

「猪突猛進!」

伊之助は猟師なんかお構いなしに突っ込み、黒鬼へと突進した。

「死にやがれ!そして、俺の踏み台に慣れ!」

伊之助は高笑いしながら、鬼を突き飛ばすと、自身の日輪刀を抜く。

布が取れたその刀身は、刃毀れしていて到底切れそうな代物ではなかった。

「喰らえ!」

伊之助は刀を構え、走り出す。

「我流!獣の呼吸!参ノ牙!喰い裂き!」

交差した二刀を振り向き、黒鬼の頸を狙う。

狙い通り、伊之助の刃は鬼の頸を斬った。

(ん?感触がねぇ?)

だが、斬った手応えが軽く、伊之助は違和感を感じた。

その直後、背後から黒い何かか襲い掛かった。

「な、なんだ!?」

気づいた、次の瞬間、伊之助の体を黒い何かは切り裂いた。

だが、伊之助は幼いころから山の中で生活をしてきた。

その生活の中で、伊之助は勘が異様にいい。

加えて触覚も優れており、それを研ぎ澄ませることで広範囲の索敵までも行える。

その触覚は、例え集中していなくても凄まじいものなので、その触覚と勘の良さ、加えて高い柔軟性も合わさり、背後からの攻撃も躱すことができた。

「この野郎!上等じゃねぇか!獣の呼吸!壱ノ牙!穿ち抜き!」

伊之助は、今度は斬るではなく、突く攻撃で黒鬼に攻撃を仕掛ける。

が、攻撃の手応えはなかった。

「獣の呼吸!伍ノ牙!狂い裂き!」

今度は四方八方に二刀を振るうも、やはり手応えはなかった。

「くそっ!なんだよさっきから!攻撃効いてんのか!?効いてないのか!?どっちだよ!?」

攻撃が決まらないことに、伊之助は苛立ち始め、叫ぶ。

「くっくっく……無理だよ。お前じゃ、俺を捕らえられない」

何処からとなく、黒鬼の声が聞こえる。

伊之助は辺りを見渡し、声の発声場所を探ろうとする。

が、伊之助が見つけるよりも早く、黒鬼が仕掛けた。

ほぼ真横からの手刀。

鋭利な爪が、伊之助の脇腹に向けて放たれる。

「しまっ!?」

声の発声場所を探ろうと耳を限界まで澄ましていた伊之助は、反応が遅れてしまった。

手刀が体に刺さる。

その瞬間だった。

「雨の呼吸 参ノ型 鉄砲雨!」

黒鬼の攻撃を弾くように、強烈な突きが放たれ、伊之助は助けられた。

「よう、まだ大丈夫か?」

伊之助を助けたのは、辰二だった……………





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