ハーメルン
鬼滅の雨
選択の結果

村に帰った後、爺ちゃんは健一郎を連れて健一郎の家へと送った。

その後、すぐに医者を呼び、健一郎の足を診てもらった。

骨も折れてないし、二、三日もすれば治るとのことだった。

安心したのも束の間、俺は家に帰ると早速爺ちゃんから呼び出された。

爺ちゃんの私室で、正座をし、爺ちゃんを待つ。

暫くすると爺ちゃんが戻ってきて、俺の前へと座る。

「そろそろ、お前にも我が家のことを話しておかねばな。打鉄家は江戸時代の頃に、鬼殺隊の剣士に命を助けられた。その為、その恩を返すために、藤の家の連盟に加盟し、藤の家紋を持つ家として、先祖代々鬼殺隊の支援をしてきた」

それは生れた時から聞かされていたので、知ってはいる。

だが、そこから先の話は聞いたことがあなかった。

「これは、子が生まれた時には必ず話している。そして、時が来た時にもう一つ話すことがある。それは、打鉄家の長男は、鬼殺隊に入るという決まりだ」

「え?」

「藤の家として、鬼殺隊を支援するだけでなく、鬼殺隊の剣士として人々も守る為だ」

それってつまり………

「俺も……鬼殺隊に入らないといけないのか………?」

そんなの嫌だ!

なんであんな気味が悪くて、不気味な奴と戦わなければいけないんだよ!

それに、爺ちゃんがすぐに殺しちまったけど、今ならわかる。

爺ちゃんが居なかったら、俺も健一郎も殺されていた。

そんな命の危険がある鬼殺隊なんかに、死んでも入りたくない。

袴を握りしめ、俺は震えた。

爺ちゃんのことだ、きっと鬼殺隊には入れって言うに決まってる。

二言目には「鬼殺隊の剣士の為に」や「先祖代々」を口にする人だ。

きっと有無も言わさず、「鬼殺隊に入れ」って言うに決まってる。

「それは………お前が決めろ」

「え?」

「今と昔は違う。強要はせん。儂は自らの意思で鬼殺隊に入った。そして、お前の父もな」

「父って……父さんも鬼殺隊だったの!?」

「ああ。お前には、崖から誤って転落したと言ったが、本当は任務での殉職だ」

そう言って爺ちゃんは立ち上がる。

「よく考えろ。お前の人生だ。このまま藤の家紋を守り続けるもよし、鬼殺隊に入り鬼を殺すもよし…………そして、別の道も歩むのもよしだ」

最後にそう言って、爺ちゃんは部屋を出ていく。

部屋に戻ろうかと思たが、俺の足は自然と部屋ではなく、もう一つのある部屋へと向かった。

襖をあけ、中に入る。

部屋の仲は月明かりに照らされており、仄かに明るかった。

そして、部屋の中には仏壇があり、そこには父さんと母さんの遺影が置いてある。

母さんは、俺を産んで間もなく亡くなった。

そして、父さんは俺が物心つく前に…………

「父さんは……鬼殺隊だったんだね」

仏壇の前に座り、俺は父さんの遺影を見つめて言う。

「俺さ、父さんのこと、婆ちゃんからしか聞いたことないんだ。爺ちゃんは話してくれないし」

思えば、爺ちゃんは父さんに関することを聞くと、いつも口を噤み、何処か悲しそうな表情をしてた。

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