ハーメルン
進化の光 フラスコの世界へ
第11話 もう1人の来訪者

第11話 もう1人の来訪者

ハガネのブリーフィングルームにはリュウセイ達「SRX」チームの姿とジャーダ、ガーネット、ラトゥーニ、そしてイルムガルドに加え武蔵の姿があった。それはハガネの進路にあるウェーク島の連邦軍基地の存在だ、元々は連邦軍の基地だが現在はDCに制圧されDCの拠点となっている。DCはウェーク島基地を拠点にして、ハガネへと部隊を送り出している為。ここを制圧しておく必要性があった

「我々が目指すウェーク島の基地には、多数の対艦砲台が配備されている」

ウェーク島基地自体は旧西暦から存在する基地で、設備は旧式、新式が多数取り揃えられた海上の基地になる。それが丸々乗っ取られていると聞いてブリーフィングルームに緊張が広がる

「やれやれ、そいつがそっくり敵の手に落ちているなんて……冗談きついぜ、それでどうやって基地を攻めるんです? ハガネで射撃ですか?」

だがイルムの軽い雰囲気と質問にその雰囲気は変わる。良くも悪くもイルムガルドと言う男はムードメーカーであり、そして場の空気を読むことに長けていた。イングラムはそんなイルムの言葉に小さく笑みを浮かべると説明を再開する

「基地の迎撃システム自体は旧式だが、有効射程距離はハガネの主砲以上だ。だから迂闊には接近出来ん」

戦艦であるハガネの射程距離もある。それは今回の作戦でハガネを主力とする事が出来ないと言う事でもあった

「じゃあ、そいつをぶっ壊さない限り、ハガネは島には近づけないってことか」

「そうだ、よってPTと戦闘機、そしてゲッターで先行し、基地の迎撃システムを破壊する。その後、基地を制圧すれば作戦は成功だ」

軽い感じで告げられるが、その作戦の難易度の高さにブリーフィングルームに嫌な沈黙が広がる

「し、島へ突入って……その前に迎撃システムでやられちまうんじゃないのか!?」

リュウセイの質問は最もだ。戦艦であるハガネが撃墜される可能性があるほどの迎撃システムを持つ、基地にPTで突入する。それがどれほどの危険を伴うかは言うまでも無いだろう。

「ヒュッケバイン、ビルトシュバイン、ビルドラプターとF-28の性能ならば敵の攻撃を潜り抜けられる。後は、AMや戦闘機、SAM・MLPSにどうやって対処するか、だ」

自信に満ちたイングラムの言葉にリュウセイは黙り込むことしか出来ない。その後も作戦会議は進む中、イングラムの作戦を聞いていた武蔵が挙手をする

「なんだ。武蔵?」

「いやあ、基地に海中を進んで突撃するんだろ? それならオイラとゲッター3に任せて欲しいと思ってな」

武蔵の言葉に全員の脳裏に過ぎったのは、南鳥島でゲッター3が放った大雪山おろしによる破壊の跡……

「武蔵、悪いんだけど、基地もある程度の機能は残しておきたいのよ。完全に破壊されたら困るわ」

アヤが諭すように言うと武蔵は違う違うと笑いながら首を振る

「いやいや、オイラもそこまで馬鹿じゃねえよ。オイラが言いたいのは、ゲッター3は水中戦に特化しているんだ。確か、水中ではゲッター3は28ノットまで出せるし、ゲッター3のサイズなら頑張れば前と後にPTを乗せることも出来る」

武蔵の言いたい事はシンプルな内容だ。ゲッター3の速度で一気に基地に突入、その際にPTを2体もしくは1体を乗せて運搬する事で、2機による強襲と殲滅……地道に海中を進むより遥かに成功率と奇襲率が高い。

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