第15話 強襲その2
第15話 強襲その2
究極ロボ「ヴァルシオン」の強襲。それは確かにピンチでもあるが、それであると同時にチャンスでもあった。ここでDCの総帥であるビアンを倒す事が出来ればその地点で連邦の勝利は決まる。
「各員ヴァルシオンへの攻撃を開始しろッ!」
特機ではあるがヴァルシオンは1機。究極ロボだとしてもハガネのPT7機に加えてゲッターロボとグルンガストと言う特機もいる、勝機は十分にあると思うのは当然の事だ。
「行けッ!!!」
先陣を切ったのはリュウセイだ。ヴァルシオンの威圧感は確かに凄まじい物だった、だがその機体のサイズもあり狙わなくても当たると考えM-13ショットガンの引き金を引く。
「グルンガストとゲッターを攻撃の基点とする。各員援護を忘れるな」
イングラムは指示と共にM-950マシンガンの引き金を引く、数はハガネの方が圧倒的に有利だ。だが20m級のPTに対して、ヴァルシオンは60m近い、有効な打撃をPTで与えるのは難しい。それならば弾幕による支援を行いつつ、グルンガストとゲッターを主力にすえるのは当然の事だ。だがイングラムには1つ計算外の事があった……
「ふふふ……どうした?お前達の力はその程度か?」
ヴァルシオンにPT隊の射撃が命中する寸前、なんらかの干渉があり弾幕はその威力を削がれ、ほんの数発が被弾しただけであった
「んなッ!」
「マジかッ!?」
その弾幕と同時に突っ込む予定だったグルンガストとゲッターがその足を止める。ヴァルシオンは一切のダメージを受けておらず、その手にしているディバインアームの切っ先をグルンガストとゲッターに向けていたからだ。これが装甲に阻まれたならば判る、だが明らかに装甲では無い何かに阻まれた。その現象を前にイルムと武蔵もヴァルシオンに踏み込む事が出来なかった
「い、今の……見た!?」
「あ、ああ……!!」
マシンガン、ショットガンの弾頭は何かに衝突したように潰れ、ヴァルシオンに届かなかった。その異様な光景に先ほどまでの雰囲気は一気に霧散した、究極ロボとビアンが自信を持って告げた。それだけ誇る事が出来る能力をヴァルシオンは目の前で見せたのだ、警戒度が跳ね上がるのは当然の事だった。
「ヴァルシオンは何かのフィールドで守られている……?」
「ラトゥー二、何か判る!?」
ヴァルシオンの間近にいたアヤは一瞬だけ、奇妙な力場が発生したのを見ており。その言葉を聞いたガーネットがラトゥー二に何が起きたのかと問いかける。
「ヴァルシオンの機体周辺に、均質化力場が発生している。そのためにこちらの攻撃の運動エネルギーは湾曲されて、境界面に沿って張力拡散してしまう……ッ!」
ラトゥー二の言葉を理解出来たメンバーが息を呑む中、通信を聞いていた馬鹿2名が叫ぶ。
「悪い、オイラ馬鹿だから何言ってるかわからねえッ! もう少し判りやすく教えてくれッ!」
「俺にも判りやすいように言ってくれッ! 均質化力場と運動エネルギーってなんだッ!?」
武蔵とリュウセイだけがラトゥー二の説明を理解できないでいた。だがそれも無理は無い、2人は民間人であり、専門的な知識など持ち合わせていないのだから。
「つまりだ。こちらの攻撃はエネルギーフィールドのような物で、威力が落ちてしまうって事だ」
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