戦友愛
「「少尉、少しいいかしら(だろうか)」」
「なんでしy……ッ!?」
「「あの糞豚どもを轢き殺せ、今すぐ(に)」」
先程の優しげな顔は鳴りを潜め、ロフスキ・ターニャの殺人的な眼と目が合い、動揺しながらも恐ろしい命令に思わず反駁する
「少佐殿!?それは!」
反駁など意に介さずに両少佐殿は容赦ない指示を続ける
「豚が人を語る!悍ましくて耐え難い、やれ」
「妄言を吐く家畜共に分からせねばなるまい」
「じょ、冗談ですよね……?」
シルサルスキ少尉は引き笑いを浮かべつつ、ロフスキ少佐に流石に冗談かと聞いてみれば、ロフスキ少佐は作った満面の笑みを浮かべ、デグレチャフ少佐は軽蔑仕切った眼を未だに群衆に向けて続けながら話す
「私は事実を言ったにすぎん。奴らには知性の片鱗すらない」
「違いないわ。少尉、私もデグレチャフ少佐も半分は本気よ?」
「……」
「少尉殿、お待たせ致しました。……どうかなされましたか?その、顔色が……」
デモ隊が通り過ぎ車の通行が可能になったのか憲兵が通行の許可と協力感謝を述べに来たが、シルサルスキ少尉が震え上がっていた所に丁度来た為に体調を心配されてしまった
「え、あ、いや、何でもないです!……もう通っても?」
「はい、御協力に感謝を。お気を付けて」
何でもないと誤魔化し、敬礼する憲兵に小さく会釈して車を進めて目的地を目指す。ターニャは瞳を閉じ到着を待ち、ロフスキは目的地に着くまで外を静かに覗いていた
(レルゲン中佐殿……私は今意味が分かった気がします……)
シルサルスキ少尉は参謀本部でレルゲン中佐に言われた激励を思い出して心中で納得するのであった
[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:12/12
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク