ハーメルン
売国戦記
各々の道


(気に入ってくれればいいのだが……ん?)

夕暮れになり日が沈みつつある帝都を走る車の中で 何気無く窓に眼を向け街をながめるが……

なんと寂しい事だろうか
戦前ならば日が暮れる程活気に溢れ[華の都]などとも呼ばれていた帝都だが……

現状は…疎らで少ない通行人 その殆どが閉まっている店 路上には失業者だろうか?座り込んで物乞いをする人、酒瓶を手にふらついている人など
虚しい現実だ……[華の都]など
今はその影も無い

その風景を見てレルゲンはデグレチャフ少佐の論文を思い出す
総力戦か…人命を数字としか見ない狂気の戦争……それが国家の崩壊まで続く狂気

そんな総力戦(狂気)を経験した国家は一体どうなるのだろうか……?

あの戦争(協商・共和戦)が終わってこれなのだぞ……」

レルゲンは副官にも聞こえない声で一人呟く

「世界大戦……そんな地獄が帝国を包めばどうなるか…」

体の芯が冷えるような様感覚をレルゲンは感じていた
それは考えるだけで恐ろしい事だ

だからこそ……

「だからこそ……あの調印式を絶対に成功させねばならん」

ライヒのより良い未来の為に……

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