第9話 ~俺、色々やっているッス。
月島花が先輩方に挨拶巡りをしている、そのことを聞いた俺は月島が来るであろう校門で待ち構える。下駄箱の位置を考えればここを通る、あの男は色んな意味で真っ直ぐだからな。…屋上から月島の叫び声が聞こえてきた、…そろそろだな。
…俺と米崎の思惑通りだな、月島は花木九里虎の下へ行く気満々だ。だが、このまま飛び出しても見付けることはなかなかに難しい。そこでこの俺の出番だ、…奴がいるであろう場所はリサーチ済み。飛び出す寸前の月島を呼び止め、その情報を与えてみれば良い笑顔で礼を言ってきた。…本当に真っ直ぐな男だな、…月島はよ。
途中で猪瀬と合流し帰ろうとすれば、武藤にタケ…通称月島一家と鉢合わせた。ついでだから派閥旗揚げの挨拶をし、隣の猪瀬を紹介しておく。…更に月島が今、何をやろうとしているか伝えれば奴等は驚く。だからダメ押しで、俺が一枚噛んでいることも言っておく。フフフ…、武藤の鋭い目が心地好いぜ。
月島一家と別れて暫く…、隣の猪瀬が話し掛けてきた。
「…いいのか? 自分が少なからず暗躍している、…そのことを臭わせて。」
猪瀬の奴、俺と武文のことを気にしてやがるな? …顔に似合わず気遣い人め。
「気にすんな、この程度じゃ変わらねーよ。…それにこうした方がぶつかりやすいだろうが、…俺はいつでも大歓迎なんだぜ? お前だって出来ることならやり合いたいだろ?」
何ら心配ないことを言いつつ、やり合う可能性を高める為だと言えば、
「…確かに、…お前の言う通りだ。」
俺の言葉を肯定し、不敵な笑みを浮かべる猪瀬。頼もしい奴だ、コイツってばよ
その後は至って普通の日々だった。あるとしたら、どこぞのバカが暴れて乱闘騒ぎとなったくらいか? まぁ普通と言ってもイベントはちょいちょいあった、…というか行った。
派閥に属するバカ達を集めて、希望者を募り戦わせる。所謂…小規模な一年戦争、と言っても二年と三年も混ざってはいるが。これにより個人の実力が上がり、俺の派閥が自然と強化される。戦うことにより、血の気の多いバカも満足して暫くは大人しくなる。よって、他の派閥の奴等よりは大人しい。
後は仲間意識を高める為に、俺自身も含めてよく遊びに行く。俺ん家は超有名企業ドラゴングループだからな、多方面に顔が利くわけよ。よってグループに属する店や遊技場であれば安く利用出来る、ボンボンパワーが炸裂するのさ。そこに派閥の奴等を引き連れて行っては遊ぶ、通常よりも安いからか派閥の奴等もその後常連になり遊技場も潤う。お互いにwin-winな関係、俺の手腕が凄い。
…たぶんこう上手くいく理由って勿論アレのお陰だよな? 転生特典のときメモ4の技能。効果を発揮しているのはコミュニケーションと課外活動のスキルツリー、きっとこれが効果を発揮しまくっているんだと思う。…女の子というより、男を中心にその効果を発揮しているってーのに悲しみを感じるが。…デメリット技能が除外されていることがありがたい、良い仕事をしてくれるぜ神様。
因みに、これらのイベントの合間に透とはデートを重ねている。男ばかりでムサいしな、女の子成分は必須。…が、彼女持ちであると知られている筈なのにモテる。透を迎えに行けば、高確率で声を掛けられるんだよね。その都度…透に嫉妬されたりするわけで、愛されていると実感出来て嬉しかったりする。
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