10話 お茶会。
「………」
「うーん……」
「………」
「へぁ……にゃぁ……」
「………!……?」
「うごごご………」
「…!…!…!」
「(上海、何であんなに信の事気に入ったのかしら?)」
「………、……、」
「うーん……うーん……」
「……!」
「(……見てて飽きないわね、意外と)」
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「………んぐ?」
何やら胸元に重みを感じ、意識が浮上する感覚。うっすらと目を開けてみれば見覚えの無い洋風の天井が映る。
……これはあれか。お約束のアレをしていいやつかな?
「………知らない天じょっ!?」
こういう時のお約束を呟こうとした瞬間に、何かが顔に落ちて来た。
痛みはあまり無いけど、何か硬かったり柔い感触なこれは一体……?と手で触ってみれば何処かくすぐったそうに、俺の顔からソレが離れていく。
「あ、上海さん」
「……!………?」
「うん、大丈夫だよ。気にしてないし、アリスの命令だったんでしょ?」
「………、………?」
「いやいや、はは」
(………よく分かるね、本当に)
呆れつつも、素直に感心している無銘が話しかけてくる。
そうかな?すっごい分かり易いと思うけど。
表情豊かだし、ジェスチャー上手いじゃん、上海さん。
(私は全くわからないけど)
うーん、俺も何となくだから説明のしようがないんだよね。
「……?」
「ああ、何でもないよ。……あ、そう言えばここは?」
「………、………」
どうやらアリスの自宅らしく、あの後気絶した俺を連れて来てくれたらしい。
え、上海さんが運んだの?すごいねと言うとクルクルと回り、何処か嬉しそうだ。
「あ、そのアリスは?」
「こっちよこっち、……全く気付かないから無視されてると思ったわ」
おはよ、と手を振りながら本を片手に優雅にお茶をしてるのはアリスさん。
よっと、ソファーから起き上がりアリスの方へ行けば反対の椅子を指さされ、素直を座る。
「気分はどう?」
「うーん、特に痛みとか無いし平気だと思うよ」
「そう。なら良かったわ」
はい、とカップを渡されて飲んでみればこれまた美味しい紅茶ですこと。
俺が一息ついたのを確認したアリスが話を始める。
「さて、と……聞きたい事は色々あるんだけどね。まずはその武器、何?」
「刀だけど」
「そういう事じゃないわよ、何で私の魔力なんて纏えたのよ?普通、本人以外扱えないし、拒絶反応とかでるでしょ」
「ほえー、そうなの」
「………なんかイライラしてきたわ」
何でさ。
やれやれとカップを口元に運ぶアリスを見つつ、今言われた事を再確認してみれば何か危なげな単語があったような?拒絶反応?
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