18話 赤い館の紅い悪魔
「これで血の方は止まった筈です、無理に動いたりしなければ傷口が開く事もないのであまり激しい運動等は控えて下さい」
「ありがとうございます………それじゃ俺はこの辺でででで!!??思い切り肩の刺し傷の所掴んでますよ咲夜さん!?」
「それでは参りましょう、お嬢様がお待ちです」
「まさかのスルー?って待ってくださいよ俺なんかにここの主人様が何用なんですか?」
「来て頂ければ分かります」
「吸血鬼さんに会えるのは嬉しいんだけど、わざわざ呼ばれる理由なんて何もない様な……」
「そうですね……胸に手を当てて考えてみればよろしいかと」
「それ完全にお前の罪を数えろってやつじゃないですか?というか咲夜さん最初の時より口調が明らかに軽くなってませんか」
「お嫌いですか?」
「いやもっと軽い方が有難い位ですけど……なんかこう、メイドさんのイメージ的に硬い口調も捨て難いと言いますか」
「……成る程、そういう趣向の方ですか」
「待って待って急に冷たい目になるのは辞めて下さい!違うんですよ男の浪漫と言うか大体の男はそう考えるもんなんです!」
「そうですか、それでは参りましょう」
「はい……」
(ドンマイ、明日があるさ!)
「(今はその煽りですら救われるよ……)」
(え、あの……なんかごめん)
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前回までのあらすじぃ!!
(紅魔館の主に)ツラ貸せよと言われた。
(大体あってるね)
だろ?
そんな現実逃避気味の会話をしつつ紅魔館の廊下を咲夜さんに案内されながら歩いているのだが、これから会うであろう吸血鬼さんのデータがゼロだと流石に辛いものがある訳でここは何とか咲夜さんから色々聞き出したいという思いもあり一歩前を歩いているメイドさんに話しかけてみる。
「あの……」
「はい?」
「少しそのお嬢様って方の情報が欲しいなーって」
少し控え気味にそう伝えるとふむと考え出す咲夜さん。それから口を開き出てきた言葉はそのお嬢様とやらの特徴や年齢など。
「……そうですね、カリスマ性の高いお方で500年ほど生きてらっしゃるらしいです。ここ幻想郷では"紅霧異変"を起こした事で有名でもありますね」
「あ、それは霊夢から聞いたかも」
以前、異変なるモノについて酒の肴程度に会話していたのだが、その時に出てきたのが紅霧異変でありなんでもここの世界全体が赤い霧に包まれ太陽の光すら届かない程の事件だったらしい。どんだけヤバイ人がそれを起こしたんだと怯えつつ、それを解決したのが霊夢と魔理沙と聞き、どうやったのかと聞けば"面倒だからボコったわ"とは霊夢の談。
「そう言えば依白様はあの巫女の神社に住んでらっしゃいましたね」
「恥ずかしながら居候の身です、はい」
「あの巫女が何の対価もなく居候を作る筈ありませんよね。何か代償等は求められなかったのです?」
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