BLEACH~09
side 織斑一夏
ようやっと俺の知っているキャラが増えた。まあ敵側なんだが知っているキャラに違いはあるまい。あれだ、youは馬っ鹿だ。なんか響きは凄い似てたはずだ。滅却師の親玉だな。
……あと、あれだ、多分俺過去現在未来を見通す千里眼系の技と認識した事実を改竄する能力はともかく、力を与えたり奪ったりは俺もできるわ。多分だが。と言うかあれ血族とかそう言うのだからできるとばかり思ってたんだが、実際の所血族だからじゃなくて構成する霊子の相性なんだな。俺個人の意識で言えばどうでもいいが。
まあ要するに、原作開始千年前辺りの滅却師との戦争が始まったわけだな。すぐ終わったけど。結構な数の死神が死んで、それ以上に滅却師が死んだ。現状においては死神の勝利と言えなくもないし、ほぼ全員を殺してみせたが残念ながら本当に全ての滅却師を殺し尽くしたわけではない。これがいずれ千年血戦篇に繋がると思うとワクワク……いや、ワクワクはしねえな。
かと言ってアレが復活しないようにする方法なんざ知らん。未来の操作とか現実の改竄とかを相手に何をしろと。できることと言えば未来あるいは過去から時間を越えて斬るくらいしか思いつかないんだが、それをやったところで多分あっと言う間に傷を治されるよな。やっぱり直接やるしかない。具体的には現在過去未来全てを纏めて一刀両断するしかない。これぞ因果の破断と言う奴よ。まあ俺のはちょっとどころじゃなく邪道な方法だけども。
本当だったら因果を絶たれればおよそあらゆるものは両断されるか消滅するが、俺の場合は初めから存在しなかったようにする。あれだ、灼眼のシャナで存在の力を奪われた人間みたいな感じで初めからいなかったことになる。ただしめっちゃ疲れるし消した相手によっては世界の寿命がクソほど縮むし認識が馬鹿みたいに歪むこともあるが、知らん。初めから存在しなくなれば治すも与えるもありはすまい……。
なお、十一番隊は戦闘部隊として戦ったせいで被害は一番大きかったんだが、それでも随分と生き残りは多かった。あと俺も参加したがそんな強い奴らはいなかったから苦労もそこまでしなかったしな。やっぱり時代が違うと強さってのは変わってくるものだ。
side another
音もなく滅却師が崩れ落ち、解体され、消えていく。
鞘走りの音も鍔鳴りもなく、言葉も歩く音もなく、滅却師の身体が寸断され、血の一滴が地に落ちるより早く消えていく。
男の周囲に制空圏が見える。その場所までは男の支配領域である領域が、じりじりと範囲を広げていく。滅却師の飛ばす矢もその広がりを止めることはできず、制空圏に入った瞬間に断ち切られ形を失い解け消える。
滅却師の一人が叫ぶ。矢が届かない。
滅却師の一人が喚く。矢が作れない。
滅却師の一人が嘆く。弓が消えた。
そして制空圏に飲み込まれていった順に、切り刻まれ霊子に分解されて消えていった。
制空圏は広がる。その場の霊子を支配しながら着実に。老いも若いも問答無用で呑み込んで。
制空権の中に一人佇む男は、ぼんやりと空を眺める。そこでは男の所属する護廷十三隊の総隊長と、今回の敵の頭であるユーハバッハがぶつかり合い、被害を大いに広げていた。男はその被害を逸らし、弾き、打ち消し、時には打ち砕きながら制空圏を広げていく。
「……あー、なあ、三席」
「はい!」
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