ハーメルン
BLEACH~ほんとはただ寝たいだけ~
BLEACH~08

 
 side 織斑一夏

 できちゃった。ただ、完全に新しい魂として作るんじゃなく誰かと全く同じ魂に作り替えるってところまでだが、できてしまった。これはあれだな、完全に霊子を解析することができる道具とその通りに並べられる道具があれば十分作れるってこったな。作る価値があるかは知らんが。
 まあ作ったのは小動物の魂だ。具体的に言うとトカゲ。そこら辺を走っていたから捕まえてみたんだが、結構いけるもんだ。
 あと食えた。味はそこそこだが食えない事は無い。まあトカゲなんぞ肉にすれば鶏のそれとそう変わらんからな。食えない理由はそんなになかろう。気持ち悪い? どうせ肉だけになればわかりゃせんだろ。

 さてそれはそれとして、俺の仕事がまた増えた。秒で終わるとはいえ隊長の仕事を肩代わりしているし、隊首会とかもなんでか俺が参加することが多いし、十一番隊名物の大訓練大会で馬鹿やった奴らの傷を治すのも俺だし、なんなら教えるのも俺だし、その上で料理まで任された。そろそろ俺はキレてもいいと思うんだよ。
 始まりは……ああ、そうだ。俺が仕事を終わらせて自作の飯を食っていたら隊員が話しかけてきて、弁当はどこで買ったかと聞かれたから自作だと答えた結果だったっけか。それが巡り巡ってなんでか俺は十一番隊の奴らのメシまで作ることに……いやまあ作れるよ? 作れるけどね? めんどくせえし仕事もかなり多いからマジで勘弁してもらいたいところなんだよね?
 一応レシピなりなんなりを適当に残しておく予定だから多少はマシになるだろうが、それでも脳筋戦闘部隊十一番隊だからな……その程度でマシになるかはわからん。ならない可能性も十分にある。ほんと勘弁してほしい。できる奴がやればいい、じゃなくて、できない奴をできるようにしようぜ? じゃないと俺過労でぶっ倒れるぞ? そうなる前に逃げる可能性もあるが。
 あれだな、なんでもできるから駄目なんだな。もう少し手を抜こう。こいつら良く動くから味は濃いめで量多くとか、そんなこと考えないで適当に作ればいい。栄養のバランスを考えて朝昼晩で献立を変えるとか週で管理するとかそう言うのが仕事の手間を増やしているわけだ。と言うかなんで十一番隊は給食風なんだろうな? 他の隊は社員食堂って感じなのに。

「副隊長!肉下せえ!」
「にーく!にーく!」
「にくぅぅ!」
「わーったわーった、大人しく待ってろ。そこに整理券があんだろそれ取って注文内容書いて半券千切って置いとけ」
『うす!』
「あと野菜も一応食え。肉と一緒に作ってるから肉みたいな味しかせんから」
『……うす』
「残したら俺と一緒に『濃厚蜂蜜授業~ポロリもあるよ☆』に強制参加な」

 なお内容はクソほど濃い暴行と殺戮の宴。死ななきゃ安いをモットーにした『死んでなければOKルール』適用型の超難易度修行体験だ。十一番隊の奴は隊長を含めて大抵これを一度は受けている。そして多大なトラウマを受けている。効果は中々高いんだが受ける側の根性がな……なおポロリすんのは大抵内臓なので注意な。
 どの辺が蜂蜜か? 命の危機が無いんだから蜂蜜だろ。甘いって意味で。
 そんな感じの事が周知されているせいで基本的に俺に逆らう奴はいない。隊長? 胃袋掴めば一発よ。結婚を申し込まれたこともあるが寝言は寝て言えと突っぱねた。そしてついでに首も刎ねそうになったが流石に堪えた。いきなりこんなところで殺しはまずいどうせいつか殺してもばれにくい大きな争いがあるんだからそこまで我慢……いや、バレなければ殺してもいいんじゃないか? バレる気しかしないが。傷口に残った霊圧から個人の特定とかもできるしな……めんどくせえ。

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