ハーメルン
BanG Dream! S.S. - 少女たちとの生活 -
2020/03/01 お出かけ
「お兄ちゃんと二人でお出かけって久しぶりだね。」
「ああ。」
「天気良くてよかったね~。」
「ああ。」
「今日はどこ行っちゃおっか?」
「ああ。」
「……お兄ちゃん?」
「ああ。」
「…………お兄ちゃんっ!」
「…あん?」
「もーやっぱり聞いてない…。」
有意義にゴロゴロダラダラと過ごそうと思っていた日曜日。だったはずなのに…。
巴と出掛ける予定だったつぐみがドタキャンを受け、その余波の被害にあったのがそう、この俺だ。特に宛のない放浪の旅に、兄妹二人…オチつくのかこれ。
「さっきから何やってるの?歩きスマホはダメって言ったでしょ。」
「うるせえな…お前は正しさの奴隷か。」
「なにそれ!ダメなものはダメなの!」
ピコン
「あっ、モカちゃんだ!…………ふふっ、暇だから逆立ちしてるって。」
「おいブーメラン。」
「ぶーめらん?…買いに行きたいの?」
「俺がそんなアウトドアに見えるかね。」
相変わらずズレた頭だ。しかしモカちゃん、暇な時間に逆立ちしてるとか…可愛いかよ。是非ともその様子を一度間近で見てみたいものだが…モカちゃんはあの健康的なお臍がけしからん。まっことけしからんのよ。
ゴスン
「に"ゃ"ぁああ!!!」
「!?」
お臍に思いを馳せている間に右後ろから何かが潰れるような悲鳴と鈍い音が。見れば額を抑えて尻餅をついているではないか、我が妹が。パンツ見えてるぞ。
出発前にもスカートが短いんじゃないかと散々指摘したのだが、タイツを履いているからいいとそのままで来てしまった訳だが…そのタイツ越しのパンツがもう…。
「おっと涎が。」
「あうぅぅぅ……」
「これに懲りたら歩きスマホなんかするんじゃない。な?」
「お、お兄ちゃんに言われたくないよっ!」
「俺は道端でポストにぶつかったりしない。」
「むぅ。」
真っ赤になった鼻の頭を摩りつつ立ち上がる。少しの間恨めしそうにスマホを見つめていたが、続けて鳴ることの無い愛機にため息。ポーチにしまいこんでいた。
「よしっ。」
「……鼻赤いぞ。」
「しってるっ。」
「痛かったか?」
「……………いたい。」
「帰る?」
「…………帰らない。」
「泣くほどか。」
「…………ん。」
コクリ、と頷く涙目の妹。いや痛いんかい。
凄い音したしな。そのまま進むのか帰るのか、俺の上着の裾を掴んで離さないつぐみがどうするのか次第なんだが。何故かガンとして動こうとしない。
「……んー、どうしよう。」
「歩きスマホ、よくないね。」
「身を以て知ったな。」
「……はい、ちょうだい。」
[9]前話
[1]次
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:1/3
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク