第9話 ジオン残党を叩け
1機のジムクゥエルが3機のモビルスーツと戦っていた。ザク FZ型はヒートホークでクゥエルのコックピットを貫いた。ジムのパイロットは「うあっー」と断末魔の叫びをあげている。
ライアン隊長はビームサーベルを振った。前進を指示するサインだ。ライアン小隊はムサイを守る3機のモビルスーツに突撃した。
チャーリー中尉はザクと交戦中。中尉は右や左へ機体を動かしながら、右手に握ったビームサーベルでザクF2型の胴体を上下真っ二つに切り裂いた。
マイクは2機のリック・ドムを相手に戦っている。彼はリック・ドムの右腕に1発、コックピットにとどめの1発を放ってドムを1機撃破した。しかし、2機目のドムが放ったジャイアントバズーカに右足を破壊されてしまった。
マイクは声をあげて叫んだ。ドムの奇襲にびびったのだ。
「隊長、右足をやられました」
「なにぃ コックピットに直撃を食らったのか?」
「違います。モビルスーツの右足です」
「おいおい。びっくりさせないでくれよ」
マイクはリック・ドムを牽制するためにEパック式ビームライフルを撃ち続けた。モニターに表示されるエネルギー残量は少なくなっていく。だが、リック・ドムは攻撃をやめない。
「残弾は2発しかない。それにしてもXBR-M84aは使いやすいな」
ホセがジムライフルをリック・ドムに連射した。マイクを助けに来たのだ。マイクはホセに「感謝するよ」と言った。ホセは「お礼は飯をおごってからな」と返している。マイクは笑いながら了承した。
その頃、ザク強行偵察型は隕石に隠れて偵察を続けていた。だが、ジオン残党に発見され、その場から尻尾を巻いて逃げていた。ザク偵察型には武装と言えるものが何もないのだ。
「こちらズール、敵に発見された。救援を求む」
「ホテルからズールへ、了解。急行する」
護衛のハイザックは、母艦の『セントルシア』にザク偵察型を帰還させようと必死だった。なにしろ、偵察用モビルスーツは数が少なく貴重だ。ハイザックはザク偵察型の手をつかみ、母艦までザクを引っ張った。
ジオン残党はハイザックの見た目にむかついていた。その外見はジオンの名機ザクを連想させる。残党はティターンズに聞こえるようにオープン回線でハイザックをけなしていた。
「ザクはジオンの誇りだ。その誇りを汚すとはな」
「その姿が気にいらんのだ。連邦のザクもどきが」
ハイザックのパイロットもオープン回線で負けじと言い返した。
「ハイザックをバカにしやがって。乗りたくて乗っているわけじゃねぇんだぞ」
「負け惜しみを言いやがって。むかつく野郎だぜ」
状況の不利を悟ったのだろうか。リック・ドムとザクが撤退を始めた。2機のジムキャノンⅡは、背中を向けて宙域から離脱する敵にキャノン砲からビームを浴びせている。
ジオン残党はムサイとサンジバルにモビルスーツを収容し、最大戦速で宙域を離脱した。ティターンズの艦隊は後を追おうともしなかった。
マイクはライアン隊長に悔しそうな表情で突っかかった。ジオンをみすみす逃すなど少尉には耐えられなかったのだ。
「なぜ、ジオン残党の後を追わないのですか? 」
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/2
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク