ハーメルン
さよならティターンズ
第10話 ハイザック いらないよ

 UC.0085年の7月、コンペイトウ基地でチャーリー中尉がライアン大尉に話しかけていた。チャーリーはイタリア産ブランデー「WILDHAWK」を飲みながらガラス越しに宇宙港を眺めている。

「それにしてもあいつは真面目すぎるな」

「隊長、マイクのことですか? 」

「そうだ。ジョークの一つも言えんとは驚いた」

チャーリーがあきれた顔で言った。
「おまけに酒もタバコもしないときた。一体、やつは何を楽しみに生きているんだ? 」

「チャーリー、今の若者は私達とは違うんだ。彼らを理解しないといけないな」

 チャーリー中尉の楽しみは酒、タバコだった。宇宙ではそれらの嗜好商品でさえ満足に

「隊長、今日は船が少ないようですが。何かありましたっけ? 」

「中尉、今日はサイド1で大規模な作戦が行われるらしいな」

「今日はアレキサンドリア級もいないようで。あれも任務ですかい」

「アスワンは、月から来る輸送艦の護衛に行ったよ」



 マイクとホセは基地にある食堂に入った。数人の連邦軍兵士がさっと席を立って食堂を出ていった。他の連邦軍の兵士もこそこそと耳打ちをしている。マイクは嫌な空気が充満していると感じた。

 マイクがホセにしょんぼりとした声で言った。
「俺達は避けてられているのかな」

「エリートを嫌っているんだぜ。あれは」

「まったく、はっきり面と向かって言ってほしいよ」


 マイクはホセに別の話題を降った。場の空気を変えるために必要だったからだ。互いに興味があるモビルスーツの話題を持ちかけた。
「コンペイ島基地にジム2は来ないのか? 」

「まだ、この辺境の基地には来ないらしいぜ」

「マイク、連邦軍がジムクゥエルを使い始めたぜ。連邦軍のやつに聞いたら訓練に使うと言っていたが」

「ああ、ジムカラーは明るい感じでイメージが良いな。赤と白の塗装がジムにはお似合いだよ」


 マイクは小惑星での戦闘でハイザックを見たことを思い出した。ハイザックは強烈な印象を小隊に残していた。マイクはホセに言葉の真意を問いただした。

「ホセ、ハイザックに乗るのが嫌なのか? 」

「あんなザクもどきに乗りたがるものかよ。俺は嫌だぜ。まるで嫌がらせじゃないか」

「ぼくも連邦がザクを使うなんて信じられないよ」


 ライアン隊長がにやにやしながら近づいてきた。
「ホセはハイザックに乗りたくないらしいな」

「これはライアン隊長。失礼しました」

「いや、敬礼はよせ。座ったままでいい」

「ハイザックか。あれがそんなに嫌なのか? 」


 ホセは隊長に向かって単刀直入に質問した。
「ライアン隊長はハイザックをどう思いますか? 」

「私は性能さえ良ければ何でもいいと思っている」

「ハイザックは連邦軍も導入する事が決定しているからな。決して性能が悪いモビルスーツではないだろう」


 ホセはチャーリー中尉にも話をふった。
「チャーリー中尉はハイザックをどう思います」

「オレか、オレはティターンズがザクを使うのは気に入らないな。できるならジムクゥエルに乗り続けたい」

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