第14話 大気圏 降下
宇宙世紀.0086年3月、サラミス改級『セイロン』は地球に降下するためグラナダを出港した。艦内ではライアン隊長によるミーティングが行われている。
サラミス改級『セイロン』はオーバーホールに入る。モビルスーツかない状態では任務がこなせないという理由でドック行きを命じられたのだ。
ティターンズの公式見解ではエゥーゴをテロリストと認識していた。マイクはエゥーゴが反地球連邦政府運動の親玉であることは知っていたが、詳しいことは知らなかった。
ライアン隊長が任務の内容を説明している。
「最近、地球と宇宙で反政府運動の動きが活発化している。そこで、コンペイトウ基地から地球に応援部隊を出す事になった。我々は北アメリカに降り、そこからキリマンジャロ基地へ行く」
「特にジオン残党と手を結んでいるエゥーゴは要注意だ。エゥーゴは連邦軍から持ち逃げしたモビルスーツで武装しているという目撃証言もある」
マイクがホセに尋ねた。シャトルが降りる場所をど忘れしたのだ。
「マイク、アメリカのどこに降りる予定だっけ? 」
「ホセ、アメリカのキャリフォルニアベースだよ」
「えっ カリフォルニアベース?」
「カリフォルニアじゃない。キャリフォルニアだ! 」
ライアン小隊に所属する4人はサラミス改級から大型シャトルに移った。もちろん、4機のジムクゥエルもシャトルのカーゴスペースに載せている。
シャトルは地球周回低軌道から離れて大気圏に突入する準備を始めた。ホセはマイクに1年戦争の英雄を知っているかと聞いた。
「マイク、アムロ・レイ大尉を知っているか? 」
「1年戦争の英雄だろ。ガンダムのエースパイロットだった」
「士官学校の教科書にも空中戦が紹介されていたな。地上からジャンプして戦ったって」
「地球でアムロ・レイの空中戦を試してみたいぜ」
シャトルが地球周回軌道からコースを変更して1時間が立った。シャトルは迎え角40度の姿勢で大気圏に突入。シャトルは大気圏に突入した衝撃でガタガタと揺れている。
「ホセ、機体の前方がオレンジ色に光っているよ」
「すごいな、シャトルが大気圏に入ったのか」
マイクは隊長に話しかけた。彼は始めての大気圏突入にわくわくしていた。
「隊長、窓の外がどんどん明るくなっていますね」
「マイク、あれはプラズマが発生しているんだ」
「まるで溶鉱炉みたいな色だ」
大気圏を突破したシャトルは高度を下げて着陸体制に入った。シャトルは空力ブレーキをかけつつ、展開したドラッグシュートで減速しながら滑走路に着陸した。
「マイク、やっと地球に着いたな。長い旅だったよ」
「ホセ、自分は北アメリカに帰れて嬉しいよ」
「マイク、寄り道する時間はないらしいぜ」
「それは残念だな。オハイオに行けないなんて」
キャリフォルニアベースにはジムクゥエルが警備に当たっていた。それもスプリッター迷彩のジムだ。ライトグレー色のジムはジムライフルを下方に構えていた。
ライアン小隊は2台の輸送機にジムクゥエルを乗せてキャリフォルニアベースを出発した。もちろん目的は、ジオン残党の掃討である。
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