第15話 強戦車 マゼラアタック
ティターンズに所属するライアン小隊は、キャリフォルニアベースからジオン残党の拠点に向けて移動を開始した。輸送機のミデアは降下する場所を探して高度を下げている。
チャーリー中尉はミデアのメカニックに「どかないと潰すぞ」とちょっかいを出した。メカニックはジムクゥエルの足に踏み潰されそうになった。
ライアン小隊は、ミデアから砂漠に降り立った。視界の先にはザクJ型が1機、マゼラアタックが2両視認できる。ジオン残党が拠点にしている村が近くにあるのだろう。ライアン隊長はそう確信した。
マゼラアタックのクランキーは自車両に近づくジムクゥエルを見て満足そうに笑った。クランキーは照準を合わせる
「油断しきった連邦め、本当の戦争を教えてやる」
「まずはHEAT弾で狙い撃つ。175mm砲弾を食らえ」
ライアン隊長はマゼラアタック1号車から放たれた砲弾を横にジャンプして避けた。ライアンは小隊のメンバーに次々と指示を出している。
「ジオンの戦車だ。マイクは稜線の影に隠れろ」
「ホセは動け。狙い撃ちにされるぞ」
「チャーリーは敵の動向を探れ。反撃のチャンスを見つけろ」
マゼラアタックは、後退しながらもジムクゥエルとの距離を取っている。クランキーは指揮官の指示が的確であることを内心ほめていた。彼は自信を持って照準を覗きこんだ。
「アルファAからアルファBへ 制圧射撃を続けろ」
「こちらアルファB、敵は3機、訂正4機います」
「まずはHEAT弾を撃つ。次弾はAPFSDS弾を装填」
ライアン小隊は稜線の影に隠れてライフルを連射。もちろん、敵の様子を伺いながらだ。マイクはシールドの裏からマガジンを取りだして装填。30連マガジンが弾切れになるまで撃ちまくった。不思議と恐怖心は感じていなかった。
チャーリーはスラスターを吹かしてジャンブし、太陽を背にマゼラアタック2号車に向けてライフルを連射した。マゼラアタックの上面は装甲が薄く、弱点と指摘されている箇所だ。
マゼラアタック1号車のパイロットはジムから距離を取りつつ、全速で後退した。クランキーはチャーリー機の右足に照準を合わせて、APFSDS弾を放った。
「アルファBがやられた。仇は取ってやる」
「目標 知らないモビルスーツ」
ザク J型はマシンガンを連射しつつ、隊で最も前進しているチャーリー中尉に接近した。ザクはフットポットを撃ってジムクゥエルの動きを止めた。
ジムクゥエルはマゼラアタックから放たれたAPFSDS弾を右足に浴びた。チャーリー中尉は稜線に身を隠し、ジムライフルを連射。彼はジムに近づきつつあるザクJ型を警戒しつつ、小隊に応援を求めた。
「ペネトレーターを食らったか。厄介な戦車だな」
「大尉、ジムの右足を損傷。ザクの射程から外れるまでの間援護射撃を求めます」
「私は部下を決して見捨てたりはしない。これだけは約束する」
「全機前進。戦車とザクに突入せよ」
「了解、マシンガンを撃ちつつ敵に接近する」
(第16話に続く)
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