第26話 黒いゲルググ
ライアン小隊は隊を2つに分けて戦っている。ライアンとホセはザク改、チャーリーとマイクはゲルググとリック・ドム2と交戦していた。
ビームナギナタとビームサーベルが激しくぶつかり合っている。チャーリーとエルガーは互いの技量を認めつつ、エゴをぶつけ合っていた。
「ジオン残党はテロリストなんだよ! ジオン残党は! 」
「貴様も30バンチ事件の真実を知らないようだな。ティターンズは30バンチの住民を毒ガスで全滅させた。貴様らが1500万人を皆殺しにしたんだぞ」
「それは嘘の情報に決まっている。30バンチの住民は伝染病で壊滅したはずだ」
「事件の真実を知らないだと。知らなかったでは済まされないぞ」
ザンジバルが信号弾を2発打ち上げた。撤退を知らせる合図だ。ゲルググは2機のリックドムと合流し、マイクとチャーリーの前から姿を消した。
エルガー中尉はコックピットの中で「また会おうぜ。ティターンズの小僧」とつぶやいた。
「ユリユス、レイズナー。ザンジバルに帰るぞ」
「エルガー隊長、ムサイはどうするつもりですか? 」
「今から拾う。見捨てるわけにいかんだろう」
ゲルググとジムクゥエルが戦っている頃、3隻のサラミス改級は3機のザク FZ型(ザク改)と交戦していた。ザクはMMP-80マシンガンとバズーカを構えて攻勢をかけている。
角つきのザク改はザクバズーカを2本持ち、左右交互に砲弾を発射していた。隊長機のザクはバズーカを1本投げ捨てるとマシンガンに武装を持ち替えた。
ザクの迎撃に出たジムⅡの3番機は90mm弾の直撃を浴びて爆散。2番機もバズーカを食らった衝撃でコロニーの残骸に機体をぶつけた。残るモビルスーツは1番機と4番機だけになった。
「ドイツ頭が来たぞ。気をつけろ」
2番機のパイロットは「このポンコツめ、ビームライフルが使えるだけじゃないか! 」と悪態をついた。ジムⅡはザク改のバズーカ攻撃で片腕を損傷している。
ジムⅡの1番機、つまりジムⅡ部隊の隊長機はジムクゥエルに応援を求めた。彼はジムⅡだけでは場を支えきれないと判断したのだ。当初の予定ではジムⅡが前衛、クゥエルが後衛を務める予定だったのだが。
「角つきに3番機がやられた。2番機も動けない」
「了解。ライアン小隊が前に出る。ジムⅡ隊は後退してくれ」
「承知した。ジムⅡ隊はサラミスの護衛に回る。隙をついて2番機の回収もする」
ライアン隊長とホセはジムⅡに替わってザクに戦いを挑んだ。ザク改は機動力を生かしつつ、適度に攻撃を仕掛けている。ホセはジムライフルを連射したが、肩のシールドに攻撃を防がれてしまった。
「ドイツ頭め、なかなかやるな」
ザク改は隕石を足で蹴ってさらに加速した。ジムクゥエルが後を追いかける。ザク改がMMP-80マシンガンからグレネード弾を放つ。ジムクゥエルがグレネード弾を避ける。
ザク改が信号弾に気づいた。3機はバーニアを吹かして一気に離脱。2人は後を追いかけようとするが、ムサイにメガ粒子砲を浴びせられて追撃を断念。ライアン小隊はまたしてもエルガー達を取り逃がした。
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