序章の幕引き
とぅるるるるる…とぅるるるるるん…
ガチャリ
「もしもし」
『よおジョルノ!!合格通知届いたかッ!?俺、合格出来たぜッ!!』
「…合格したのは分かりました。ですから、もう少し声のボリュームを下げてください」
『あ、ワリィ』
電話に出るなり、鉄哲の大音量が鼓膜を大きく振動させたのを感じて、ジョルノは少し顔をしかめた
ジョルノは試験終了後、実技試験をキッカケに鉄哲と塩崎の2人と連絡先を交換していた。他愛のない話をすることもあったが、ジョルノはそれを無駄とは思わなかった
『救助P、マジであったんだな!聞かされた時、俺本当にビックリしたんだ。スゲェーよジョルノは』
「いいじゃあないですかそんな事は。分かっていたところで、徹鐡と塩崎の協力がなければ、0Pの敵は撃破できなかったんですから」
『お前なァ〜〜〜……もっとこう、自慢したってバチは当たんねえと思うぜ。俺や塩崎を動かしたのは、間違いなくお前なんだからよォ』
「自慢したって敵を増やすだけですよ。敵が増えて、それに対する労力を考えれば吹聴するなんて無駄だ。2度も言わせないでくださいよ?」
『…お前って本当に無駄って言葉が好きだよな』
「キライですよ。無駄なんて」
呆れるようにそう言うジョルノに、徹鐡はまた言ってると返す
『先に塩崎に聞いたけど、あいつも合格してたってよォ。これで全員ヒーロー科ってことだ』
「ぼくの合否を聞いてないじゃあないですか」
『1番敵P稼いでたお前が合格してないわけねェーだろうが』
そう言われればそうなのだが、このまま鉄哲の思い通りというのが面白くないと感じたジョルノは、ある事を打ち明ける
「じゃあ合否のついでに教えておきます」
『アン?』
「ぼく、主席合格みたいです」
ガタタッ ガツン
電話越しで椅子が倒れる音と鈍い音が聞こえてきた。どうやら立ち上がった拍子にどこかぶつけたみたいだった
『〜〜〜〜ッ!!』
「大丈夫ですか?徹鐡」
『お前!お前ッ!それマジかよッ!?』
「本当ですよ。ウソだと思ったんですか?」
『逆だッ!!むしろ納得したね!!そっかあ〜〜〜1位合格!やっぱスゲェじゃあねえかジョルノ!』
「ありがとう」
鉄哲の、こうやって素直に祝福してくれる性格は、イイ人だなと思ったジョルノは礼を言う
「クラスですが、ぼくはA組みたいです」
『俺はB組だ。塩崎もB組なんだよな……なんかジョルノだけ仲間はずれにしてるみたいでイヤだな』
「同じ雄英で、ヒーロー科なんだからいいじゃあないか。これから3年間、嫌でも顔を合わせますよ」
『それもそうだなッ。じゃ、また雄英で会おうぜ!』
「ええ、また」
プッ
特に話すことがなくなったため、2人は通話を終わらせた
「……これからだ…ぼくは必ずヒーローになる…」
右手で首の背後に触れながらジョルノは決意を口にする
指先が触れた箇所には、くっきりと星型のアザが浮かんでいた
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