01
更に、それに連動しバイクのアーマー部分もすべてパージする。
前輪部分のタイヤが中心から2つに別れ、三本の長大なブレードがせせり出す。
コーカサスエクステンダーはマスクドモードから戦闘形態のエクスモードへの変形を完了させる。
そして、三本のヒヒイロノカネ製のエクスアンカーにタキオン粒子が収束させプラズマを放つ。
その一撃必殺の突進は悉く行く手を阻むノイズを灰塵へと還し、かなりの距離を進んだところでようやく止まりその席から戦士はゆっくりと降りた。
「さあ、掃除の時間だ」
ぼそりとマスクの下でつぶやいた言葉は戦場の音に掻き消され、戦士はその奥底に秘めた力を開放させる。
○
煤や火の粉が舞う戦場の跡地に一つの影が現れる。
「……また、か」
剣や刀を思わせるプロテクターを纏い、蒼い少女は目の前の光景を見て呟く。
「こちら ”風鳴翼” ノイズは確認できませんが煤と戦った後の痕跡。それと同様のタイヤ痕から恐らく ”彼” の仕業かと思います」
少女は周囲の確認のため歩きながらインカムに向け報告し出す。
『こちら本部、了解だ翼。後始末は一課のまかせて至急帰投してくれ』
「了解しました」
通信を切り、最後に翼と呼ばれた少女は目の前の惨状を見渡して呟く。
「貴方は一体何者なの?」
○
ある戦士の話をしよう。
いわく、彼は突如としてその姿を現し、通常兵器のきかないノイズを倒す。
いわく、彼が現れる前は必ず黄金の光がどこからともなく表れる。
いわく、一瞬だけ目を閉じたときには煤しかその場には残っていない。
いわく、彼は必ずバイクに乗ってくる。
いわく、彼は誰にも素顔を見せずマスクをつけている。
さまざまな話から、人々は彼に対し畏敬の念を込めこう呼んだ三本角の黄金の戦士 ”仮面ライダー” と……
[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:2/2
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク